重重無尽 自らを教育する時代。知識だけではなく実践を
私はこれからの日本の財産は知識だと思います。そこで、「知識は我らを豊かにする」というキャッチフレーズを作りました。さまざまな知識を持つことにより、経済的な豊かさ、心の豊かさを持つことができると私は考えています。
そして、知識を持つために、これからは自分自身を教育していく時代になると思います。もちろん、学校で得た知識が基盤になりますが、それに加えて自分で情報や知識を得て、それを活用する能力を培う必要があります。また、ただ知識を得るだけでなく、実践を通して経験を積むことも大事です。私の場合は、知識を使った議論を実践していました。
議論、つまり対話(ダイアローグ)は知識の源泉であり続け、ソクラテス以来、行われています。率直な対話をする環境を、経験者と若い人の間でつくることで、経験者は自分の経験を、若い人は年寄りにはない発想をぶつけ合うことができるのです。そして、その中から、新しいアイデアや知識の体系が出てくるのです。
だから、なるべく対等の立場で議論をするべきです。そうすると、議論は面白くなり、自分の発言に責任感も出てきます。