連載 インストラクショナルデザイナーがゆく第10 回 教育のグローバル共有には Share and Learn が重要
プログラムの翻訳だけで教育の真意は伝わるのか
「ね、これ、なんだかわかる?」
ドイツのあるエンタープライズソフトウェア会社での会議で隣に座ったドイツ人のマネジャーが、ポケットから小さなガラスのオブジェを取り出した。直径4cmほどの、小さなシルクハットのような形で、帽子のてっぺんにあたるところに「85」と数字が刻まれている。
「……フフフッ、テラダサンの好きな、ワインの栓!」なるほど、逆さまにすると、ちょうどワインの口にぴったりの大きさ。
「へぇ、ちょっとおしゃれな感じ」と呟くと、
「環境保護ですよ。100%リサイクルを徹底するために、コルクを止めてガラス栓にしたんです。やがてこれが、グローバルスタンダードになるでしょうねぇ」
2008 年になって、ワインだけではなく、インストラクショナルデザインの世界でも、「環境」そして「グローバル」がますます重要なキーワードになっている。