重重無尽 自分の感覚を信じて 柔軟で広い視野を得る
私は全国あちこちから招かれて講演会や講習会を行っています。ですから、人に私のやっている武術や、この武術の「体を、より無駄なく無理なく使うこと」を、スポーツや楽器の演奏、介護といった分野に応用する方法を解説したり、教えるという機会は少なからずあります。そうした時、言葉というものの大切さと同時に、その限界について、いつも考えさせられています。
私の武術の定義は、「人間にとって、切実な問題を、最も端的に取り扱うもの」ですが、それは、武術が本来、命のやり取りという人間にとっての極限状況を扱うものであり、それだけに心身を最も有効に使わざるを得ない世界だと思ったからです。
そして、20代の初めから、いくつかの流儀を学び、29 歳の時、松聲館道場を建てて本格的に歩み始めました。