重重無尽 住民自身の気づきが 紛争解決の第一歩
紛争を経験した国や地域で再び紛争が起こらないように、経済面・社会面・治安面などから、多角的な支援を行うのが、私たち「日本紛争予防センター」の仕事です。その具体的な活動内容は、極めて多岐にわたります。
紛争と聞くと、民族間の争いを連想する方が多いと思いますが、ただ民族が違うという理由だけで、人は戦いません。必ず“本当の問題”が背後に隠れています。たとえば2007年の大統領選をきっかけに民族間で暴動が起きたケニアの場合は、経済状況に対する国民の不満が、民族間の対立に置き換えられるように扇動されていました。
現在、ケニア情勢はだいぶ落ち着いていますが、数年後には再び選挙が行われます。もし“あの暴動は、相手の民族のせいで起きた”という誤った考えを持ったまま次の選挙を迎えれば、また暴動が起こる恐れがあるのです。