COLUMN Senior’s Voice 富士通エフサス 経験を活かし、 新しい仕事に挑戦
シニアになっても新しいことに挑戦し、能力を伸ばすことができる──これを証明しているのが、富士通エフサスの中谷氏だ。
同社では、役職を離れた後に、元の職場に戻るだけでなく、新しい職場に行くという選択肢も用意している。
この制度を利用して、BCM という新しい事業の立ち上げにチャレンジした中谷氏に、モチベーションは何か、これまでの経験をどう活かしているのかを聞いた。
新しい分野に挑戦する勇気
富士通グループのカストマエンジニア(以下CE)のサポートを統括する富士通エフサスでは、役職離任後のキャリアとして、役職を離れたうえで再び現場復帰する道が開かれている。
その現場復帰には、大きく分けて2つの方向性がある。1 つは、元の職場で従来と同じ業務に就くというもの。CE には職人気質な人も多いため、これを選択するケースが多いという。
2つめは、役職離任が近づくと行われるオリエンテーションで、他部署や関連会社の業務の説明を聞き、次の行き先を考える道。まったく未経験の事業へと挑戦することもできる。こちらを選ぶ人はまだ少数派だというが、中谷明男氏は、その少数派のうちの1 人だ。
中谷氏が第二のキャリアを賭けるテーマとして選んだのは、「BCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)」。これは、災害など不測の事態が起こっても、早期にシステムや設備を復旧させて事業継続できるように、万一に備えて重要リソース(従業員や設備など)を守るための戦略策定や復旧計画書策定のコンサルティングを行う事業だ。
地震、テロ、新型インフルエンザといった不穏な事件が頻発する今でこそ、こうしたリスクマネジメントビジネスは注目されているが、中谷氏が役職を離れた2006年には、まだそれほど認知度の高い事業ではなかった。