J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

月刊 人材教育 2017年02月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第23回 IT 業務が遅いシニア社員への対応

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。


藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ

第23回 IT 業務が遅いシニア社員への対応

定年延長により、当社でも60 代のメンバーがオフィス内で戦力になっている。しかし、中にはITリテラシーが低いためか、新しいシステムの習熟やITを使った業務が遅い人もいる。こうした人たちには、どう対応したらよいのか。パソコンを使わない業務に配置転換するべきか、それとも根気強く教えていくべきなのだろうか。

シニアは本当にITが苦手?

シニアの方はインターネット・パソコンが苦手だという先入観を持たれがちですが、総務省が発表している情報通信白書によると、60 代の方々のインターネット利用率は2002 年の26.0%から2014 年の75.2%へと大きく上昇しています。また、スマートフォンの普及率も、2015 年の27.8%から2016 年には38.5%へと急速に伸びています(MMD研究所調査

60〜79歳の男女のスマートフォン・シニア向けスマートフォン利用率)。

同調査によれば、タブレットの所有率も29. 6%。今日の60 代の方々は、日常的にインターネットもEメールも利用していますし、デジタルデバイスの利用率も上がっており、明らかにIT 機器が苦手という方は少なくなってきているといえます。

しかしながら、パソコンを使った業務へのリスクとして、加齢と共に避けられないのが視力の低下です。個人差はあるものの、50 代から色の判別能力が落ち、文字が読み取りにくくなります。こうした視力の衰えは少しずつ進むため、本人が視力のせいだと気づかないまま、ディスプレイ上の文字を読んだり確認したりする速度が遅くなっていく、ということもあるようです。眼鏡によって矯正できない色覚異常・弱視などに対しては、システム面での対処が必要になります。

高齢者が閲覧しやすいサイトに

総務省では、「みんなの公共サイト運用ガイドライン」を定め、高齢者・障害者が閲覧しやすいウェブサイト/アプリケーションのつくり方をガイドしています。

また、同じく総務省はウェブサイトの読みやすさをチェックする「miChecker」というツールを無料で公開しています。高齢者の目で見た画面のイメージを確認することができると共に、文字の拡大が可能かどうか、色覚異常の方でも判別できる色を使用しているか、ハイコントラスト表示ができるかどうかなど、シニアの方も見やすい画面づくりのために守るべきポイントがよく分かります。

システムそのものの変更を行わなくても、例えばディスプレイの解像度を上げるハードウエア購入などによって改善につなげることも可能です。

使用するフォントの種類やサイズによっても可読性は変わります。使用するマニュアル類のフォントを、大きく濃いものにするだけでも習熟スピードはずいぶん変わるでしょう。

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:939文字

/

全文:1,878文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!