J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2017年01月号

心理学×企業調査で検証 パフォーマンスを高めるチーム開発 第3回 成果を上げるチームのリーダーとは

九州大学と九州大学TLOが行ったフィールドリサーチを元に、チーム開発について紹介する本連載。前回は、高業績チームに備わる“4つの機能”をチームに根づかせるための方法を紹介した。
今回は、チームづくりを行うリーダーの在り方について考えたい。

青島未佳( あおしま みか)氏
産学連携機構九州 総合研究部門 部門長

産学連携機構九州(九大TLO)総合研究部門長。大学卒業後、日本電信電話(NTT)、アクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティングを経て、2012 年1月より現職。人事制度改革、人事業務プロセス改革、グローバル人事戦略など組織・人事領域全般のマネジメントコンサルティングを手掛ける。著書に『最新研究からわかったダイバーシティ時代におけるチームの在り方「高業績チームはここが違う」』(共著)など。

●求められるリーダーシップとは

前回、前々回の連載で、チームづくりに必要な機能として3階建ての構造をお伝えした。しかしながら、土台となるコミュニケーションや相互協力・チーム学習は自然発生的に起こるものではなく、誰かが触媒となる必要がある。

その誰かとは、多くの場合“リーダー”である。つまり、コミュニケーションという土台の土壌となるのは、リーダーによるリーダーシップ行動だ。頑丈な土壌の上でないと安全な家が建てられず、良質な土壌でないと作物が育たないのと同様に、リーダーシップはチームづくりにおいて非常に重要な機能である(図1)。

では、チームで高い成果を上げるためには、どのようなリーダーシップが必要なのか。これからの時代、従来の同調主義的なチームワークや“言わなくても分かるだろう”といった暗黙知のコミュニケーションを促すリーダーシップは必要ない。また、トップダウンで決めた方針を現場に粛々と実行させるようなリーダーシップも通用しない。

リーダーに求められるのは、現場レベルで改善・改革を自ら進めていくチームづくり、チーム一人ひとりがオーナーシップの精神を持ち、リーダーシップを発揮できるようなマネジメントである。

●リーダーに求められる心構え

九州大学と九州大学TLOが行った高業績チームのリーダーへのインタビューにより明らかになったのは、彼らには以下の3点の心構えが備わっているということである。

①メンバーに興味を持ち、信頼する

②自分ではなく、メンバーを主役にする

③自分のみが正しいと思わず、多様性を認める

グローバル化や多様化が進む時代に、自分が見ている世界や自分の仮説、答えのみが正しいと思ってしまうと方向を見誤ってしまう。また、トップダウンで物事を決めて、現場にやらせても成果は出ない。その意味で、リーダーの「自分が主役とならずにメンバーを信頼し、メンバーの多様な意見や働き方を認める姿勢」が重要となる。

①「メンバーに興味を持ち、信頼する」ことの大切さは本連載の第1回でも説明した通りだが、②、③は、成功体験があるリーダーや同質性の高い組織を率いてきたリーダーにとっては、言葉では理解していても行動に移すことは難しい。

■メンバーを主役に

②の失敗事例を紹介しよう。私たちが取材をした某会社の部長は、以前、低業績の部門を自らのリーダーシップで立て直した経験があった。その時は、市場も上向きで、自分の中でとるべき戦略も明らかだったので、業績が悪い部門に対しても“有無を言わせぬ”リーダーシップで目標必達を現場に課し、成果を出すことができた。

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