J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年05月号

TOPIC ~「体」「心」「脳」の癒しがもたらす仕事効率化~ 企業に求められる 「リセット」という考え方

いったい、どれほどのビジネスパーソンが、「自分は健康」だと言えるだろうか。
日々業務に追われ、身体に鞭打ちながら働いているせいで、心もボロボロ……。
仕事の効率は悪くなり、残業が増え、悪循環から抜け出せない。
そんな悩みを抱えている人は、少なくないはずだ。
そこでお勧めしたいのが、癒しによる「体」「心」「脳」の「リセット」である。
仕事にもたらす効果と、具体的なリセット法とは。

■ 筆者紹介
阿部雅行氏
ボディチューン・パートナーズ 代表取締役
富士銀行に入行し、みずほHD、みずほコーポレート銀行で営業・マーケティング・経営戦略部門を経験。その後グロービス経営大学院等の教育ベンチャーにて人材育成・コンテンツ開発部門等を経て、2005年より現職。銀行時代に業務・ストレス過多からくる体重90キロ、BMI30を経験したことから、「健康増進」「体調管理」「ビジネスパフォーマンス」の3つを柱とした「健康人材リーダーシップ・プログラム」を確立。
http://kenkoukeiei.com/
contact@kenkoukeiei.com

3つの軸

昨今、社員の心と体に対する日本企業の関わり方が大きく変化している。「健康経営銘柄」の発表もあり、ビジネス書市場でも「健康」という文字が目立つようになってきた。社員の健康への働きかけは、もはや消費ではなく戦略投資である、という考え方が一般化してきている。社員が健康であれば、社員の集合体である企業の業績が向上することが、アカデミックな世界でも証明されつつあるからだ。

しかし、改めて「健康」とはなんだろうと問うてみると、意外とその定義は難しい。そこで、健康を「体」「心」「脳」の3つの軸に分けて考えてみよう。

まず1つめの「体」とは、私たちを形づくっているもの。筋肉、脂肪、血管、骨など体の組成に関係する。この軸のバランスが崩れると、メタボリックシンドロームや生活習慣病といった病を患う。

続いて2つめの「心」とは、私たちの内面を形づくるもの。目に見えないとても繊細な部分である。この軸のバランスが崩れると、メンタルヘルス系の疾患(鬱や自律神経失調症)を発症する。

最後に3つめの「脳」とは、私たちの頭の中にある、全ての生命維持活動を司る場所であり、多くの謎に包まれた部位である。この軸のバランスが崩れると、「体」「心」の軸も総崩れし、集中力・決定力の欠如、コミュニケーション能力の低下などを引き起こす。

よって、「体」「心」「脳」の3つの軸を意識し、それぞれに対して適切なケアをすることで、私たちは日々の業務において、ハイパフォーマンスを維持できるのだ。

一点集中の罠

しかし、現代の健康に対する施策には一極集中の傾向が見られる。例えば、メタボ対策のためのダイエットや、メンタルヘルス問題を抱える人に対するカウンセリング、インプットのみの各種研修がそれに該当する。しかし、それらは怪我をした部位に絆創膏を貼るようなもので、絆創膏を貼れば怪我は治るが、怪我をしなくなることはない。絆創膏を貼るだけではなく、「なぜ怪我をしたのか」「どうすれば怪我をしなくなるのか」を、「体」「心」「脳」の3つの軸で網羅的に対策する必要があると考える。

リセットという考え方

3つの軸を健康に保つためにまずは、「体」「心」「脳」の3つの軸の周りにこびりついた、「余分なもの」をリセットしよう。「余分なもの」とは、「体」であれば脂肪、「心」であれば不安、そして「脳」であれば先入観だ。安全かつ円滑な車のドライビングと同様、定期的に足回りやエンジンから汚れやサビを、そして車を運転するドライバーからは疲労を取り除くことが重要なのである。

メリットはパフォーマンス向上

「体」「心」「脳」の3つの軸から余分なものをリセットすることで、私たちは多くの恩恵を得ることができる。例えばその一部分として、過度な脂肪をリセットした「体」は、以前に比べ疲れにくくなり、

不安をリセットした「心」は、外的なストレスにも打たれ強くなる。そして先入観をリセットした「脳」は、物事を多面的に、柔軟に捉えられるようになる。このように3つの軸がぶれることなく連携し合うことで、ビジネスの現場において意思決定が円滑かつ的確になり、社員のビジネスパフォーマンスが目に見えて向上すると考えられる。

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