J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年04月号

負けないマネジャーのための孫子 第19回 孫子の教えがマネジャーにもたらすもの

残念ながら、最終回です。
「孫子」の教えはマネジャーに何をもたらしてくれるのでしょうか。
総復習をしましょう。

青柳浩明(あおやぎ ひろあき)氏
ビジネス論語スクール主宰。幼少から40年にわたり、「論語「」孫子」等の漢籍を学び、ビジネス現場でSE、PM、経営企画等の実践を積む。中国古典の伝播活動として企業団体等で精力的に講義・講演活動中。著書に『論語説法』(講談社)他。aoyagi@rongo-school.com

19回にわたったこの連載も、今月で最終回となります。毎号、マネジャーの皆さんにとって有用な孫子の教えを取り上げてきましたが、総括すると何を学んできたのでしょうか。

1.原理原則を身につける

多く取り上げてきたのは「原理原則」です。森羅万象、そしてビジネスにも原理原則はあり、事前にそれを学んでおけば大過は予防できます。

例えば、第7回では成功における5つの原則を学びました。そのうち原則2の「衆寡(しゅうか)の用を識(し)る者は勝つ」は、組織の規模によって柔軟に戦略やマネジメントスタイルを変える必要がある、という教えでした。この原則を知らなければ、多くの人は自身の成功体験を基に、自分はどんなサイズの組織でもマネジメントできると過信してしまうでしょう。

また原則3の「上下の欲を同じうする者は勝つ」は、部下と価値観を共有すれば、困難な状況においても組織全体のモチベーションを維持でき、組織方針とかけ離れた部下の言動を予防できるというものでした。部下は、あなたとは異なる価値観・欲望を有する存在であることを理解する必要がある、ということです。

また、第6回では失敗する5つの原因―必死・保身・短気・無欲・過保護について学びました。

私たちの意識は、自然な状態では常に、「前(未来)」や「外」へと向かっていて、よほど意識しない限り「後(過去)」や「内」には向きづらいものです。自身の欠点を他者から指摘されて「研鑽の機会をありがとう」と喜べる人は少ない、ということです。だからこそ自ら学び、自身を省みる姿勢が必要です。学ぶことによって、「前や外」だけではなく、「今の自分」と「過去の言動」を比較検討できるようになれば、これまでの思考や言動が原理原則といかにかけ離れていたかを自覚でき、欠点も修正されていきます。

第3回では、「智者の慮(りょ)は必ず利害に雑(まじ)う」、つまり「判断」する際には常にプラス・マイナス両面を考慮するべきであると学びました。特に思いついたらすぐに行動する、積極性のあるマネジャーは要注意です。もちろん、チャレンジ精神は成長のためには欠かせませんが、無謀も許されません。ビジネスでは、失敗すれば必ず損失が発生するのですから。

こうした原理原則を学び、これまでの自身の思考や言動とかけ離れていないかをセルフチェックし、改善する。そういう姿勢が求められます。

2.為すべきことを為す

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