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月刊 人材教育 2016年04月号

人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第42回 「プラダを着た悪魔」川西玲子氏 時事・映画評論家

「プラダを着た悪魔」
2006年 アメリカ 監督:デヴィッド・フランケル

川西 玲子(かわにし れいこ)氏
1954年生まれ、メディア・エンタメ時評。中央大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。シンクタンク勤務後、企業や自治体などで研修講師を務めつつ、コメンテーターとして活動。著書に『映画が語る昭和史』(武田ランダムハウスジャパン)、『戦前外地の高校野球 台湾・朝鮮・満州に花開いた球児たちの夢』(彩流社)等。


『プラダを着た悪魔』
販売元:20 世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
価格:DVD ¥1419+税 ブルーレイ:¥2381+税
DVD・ブルーレイ発売中
ジャーナリストをめざしてニューヨークにやってきた主人公がファッション雑誌『ランウェイ』の編集部に就職し、横暴な編集長のアシスタントとして奮起する。第63 回ベネチア国際映画祭や第19 回東京国際映画祭で特別招待作品として上映。
©2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

この映画は2006年に公開されて世界中でヒットし、以後ずっと若い女性に支持されている。仕事も私生活も充実させ、しかも自然体で生きたいという女性の志向を先取りし、それをおしゃれに描いていたからだ。

このような傾向の映画では、2001年公開の『ブリジット・ジョーンズの日記』が先駆けだ。出版社に勤め、恋とダイエットにも情熱を燃やす32歳女性のドタバタな日々を描いたもので、2004年には続編『ブリジット・ジョーンズの日記きれそうなわたしの12か月』も公開された。

だが『ブリジット・ジョーンズの日記』と『プラダを着た悪魔』の2作を比べると、5年の間に起きた変化がうかがえる。

同じ等身大の女性が主人公でも、後者のほうが仕事に重心が置かれ、ヒロインが有能に描かれている。その背景には2000年代に入ってから、女性の人生における仕事の割合が高まっていったことにある。

男性と一緒に就職活動をして、仕事をするのが当たり前という時代を経て、さらに恋も仕事もあきらめない段階も過ぎ、自分の能力を伸ばして、キャリアを手に入れることをめざす段階に入ったのである。『プラダを着た悪魔』はそういった時期の、新しい成功物語だった。

しかし、公開から10年を経て、今やそれすら当たり前になりつつある。というより、女性自身の意思を超えて、「家庭もキャリアも」が国の政策課題になり、成長戦略になっているのである。10年でここまで環境が変化するとは思いもしなかった。

○自分を見失わない強さを持つ

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