J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年04月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第1回 副業する社員!

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。

藤原 英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。
[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉あきこ

第1回 副業する社員!

チームの若手で1人、副業で小遣い稼ぎをしている社員がいる。趣味の旅行に関するブログを書いているが、そこに広告を掲載していることで毎月数千円の収入になっているらしい。他にも、掘り出し物をネットオークションで売買して差益を得ることもあるようだ。仕事には熱心に取り組んでおり、業務時間以外に何をしても自由だと思うが、休憩時間などにその副収入の自慢話をすることがあり、話を聞いた他の社員は就業規則違反ではないかと気にしている。どう対処すればいいだろうか。

業務時間以外は個人の時間

多くの会社が、就業規則に、副業を禁止する項目を設けています。しかし、あくまで就業時間外は、個人の自由な時間です。従業員が業務時間ではない間に何らかの活動を行って副収入を得ることに、会社が懲戒処分を行うことは原則としてできません。ただ副収入があるというだけでは、処分ができないことがほとんどなのです。

ですから例えば、週末に実家の農業を手伝っている、不動産を持っていて家賃収入があるといった例も、処分ができないケースとなります。

問題になるケースは

しかしもちろん、明らかに本業に支障を与えている場合は、処分や是正勧告の対象になります。

業務時間中に、直接業務と関係がない、副業関連のウェブサイトを見ているといったケース。また、副業の悪影響で疲れて仕事に集中できない、休みが増える、遅刻早退が多くなる、などの問題があれば、処分とまではいかなくとも、本人と面談の機会を取り、働き方について考え直してもらう必要があるのです。

また、最初は趣味の延長や、ちょっとした小遣い稼ぎとして始めたのに、稼げるようになると、もっと稼ぎたいと思うようになり、エスカレートさせていく人もいます。まとまった副収入を得るためには、それなりのリソースを投入しなくてはならず、長時間を費やして疲労したり、業務時間中にそわそわする。さらには、人脈を切り売りしたり、情報漏洩に手を出してしまうこともあります。仕事で得た人脈に影響したり、情報漏洩にまで至れば、処分の対象です。

加えて、その人1人だけではなく、職場の人たちを副業に誘い、周囲を巻き込んで問題になることもあります。大人数で携わることで収入が増えるタイプの副業があり、お金が絡んで職場の人間関係にダメージを与えてしまうのです。こうした場合はできるだけ早急に本人に注意し、改めてもらう必要があります。

もっと重大な例には、副業に本業で得た情報やノウハウを横流ししてしまうといったものもあります。自社開発のソフトウェアに似た製品をつくって副業で販売したり、いつの間にか同業他社の役員等になり、自社の機密情報を伝えてしまったり──。こうした事例では、就業規則の競業避止規定や機密情報管理規定違反となり、通常は懲戒処分になります(こうした例は、未然防止が非常に難しいケースなのですが……)。

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