J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年01月号

TOPIC 『ものづくり人材育成フォーラム2014』実施報告 ものづくり現場の中核人材育成のカギは「管理技術」と「キャリア目標」

日本能率協会マネジメントセンターは、製造業の工場長や製造部門管理職、人事担当者を招き、『ものづくり人材育成フォーラム2014』を東京・大阪で開催した。
フォーラム開催前と終了後に行ったアンケートの分析結果から見えてきたものは、グローバル化といわれる中で重視されているのは意外にも「国内のものづくり」であること、そしてそれを支える中核人材の深刻な不足であった。
現場が求める人材を育成するヒントはどこにあるのか、報告する。

取材・文/齋藤亮介〈JMAM 通信教育事業本部〉 写真/JMAM

重要視される国内工場

今回のフォーラムでは、開催前にアンケートを実施することで、講演内容に影響されない「生の声」が収集された。

事前アンケートは5つの質問からなり、国内工場の位置づけ、およびその中核となる人材の育成について、現状を問う内容である。

質問1の「自社の国内工場(ものづくり現場)は、事業革新や戦略推進のうえで、ますます重要な役割・位置づけとなっているか?」に対しては、全体の8割超が「重要になってきている」と答えている(図1)。

グローバル化、海外移転が進み、一見すると国内ものづくりが希薄化しているかのように考えがちであるが、実際は事業戦略のうえで国内の工場は以前に増して重要視されていることが明らかになった。

マザー工場、戦略的工場としての本拠地を国内に置こうという傾向を示しており、国内にいかに優秀な人材が必要か、ということも表しているといえよう。

不足する中核人材

質問2は「自工場の現場では、中核となる人材は確保できているか?」というもので、質問1で「重要となっている」とされた国内の現場で、必要な人材の育成が行われているかを問うものである(図2)。

結果は、「現在・将来とも充足」していると答えたのはごくわずかであり、国内の中核人材不足が深刻化している現状が見える。

興味深いのは、回答者の役職によって認識にバラツキがあることだ。リーダー・監督職クラス、生産専門職・スタッフ職では半数以上が「現在は充足しているが、将来は不足」と答えているのに対し、工場管理職・工場長・製造部長クラスでは、6割程度が「現在・将来とも不足」と答えているのである。

すなわち、リーダークラスでは「次世代が育っていない」と認識し、自分たちの育成は成功していると捉えているが、その上位層は「すでに現状で不足している」と、人事担当者以上に危機感を感じているのである。この危機意識の差が、中核人材不足の深刻さを如実に表している。

習得させたい「職場管理力」

質問3は育成計画とキャリア目標が明確か否かを問うもので、これについては「両方とも明確」「どちらかは明確」の2つを足し合わせても半数を下回る結果となった(図3)。

さらに質問4ではそうした不明確な状況の中で、本来、対象人材に習得させたいと考えているテーマを問い、全役職から「職場管理・部下指導力」という回答を多数得た(図4)。

次に多い回答は「品質・原価・生産管理などの生産ノウハウ」であるが、これも管理能力といえる。技術・技能や多能化については、現場教育によってある程度身につけさせることができているが、知識として学習しなければ身につかない管理技術については、教育に苦心しているということなのである。

本フォーラムではこれへの回答として、学ぶべき管理技術のもととなるのはIE(インダストリアル・エンジニアリング:人・設備・材料などの経営資源のムダを省き、アウトプットの価値を高める考え方)であると提唱し、品質管理(Q)、原価管理(C)、生産管理(D)、安全管理(S)・環境管理(E)という基礎的な管理技術の知識を、体系的な「ものづくり人材育成プログラム」にのっとって育成していくことを示した。

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