J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年01月号

負けないマネジャーのための孫子 第4回 組織の力を育む平時の心得

マネジャーが平時から行っておくべきマネジメントのあり方とは。権力行使やルール厳格化では、決して思い通りの組織にはなりません。

青柳 浩明(あおやぎ ひろあき)氏
ビジネス論語スクール主宰。幼少から40年にわたり、「論語」「孫子」等の漢籍を学び、ビジネス現場でSE、PM、経営企画等の実践を積む。中国古典の伝播活動として企業団体等で精力的に講義・講演活動中。著書に『論語説法』(講談社)他。

普段からの人心掌握

『孫子』は兵書であり、負けないために、いかに守り、いかに攻めるかを実戦に基づいて説いたバイブルです。そのため、戦いのハウツーに注目しがちですが、平時における軍隊のマネジメントの重要性を明に暗に説いています。

自軍にせよ敵軍にせよ、状況を判断し行動するのは、さまざまな感情を持つ人間の集まりです。基本は人をどう取り扱うか、つまり組織の部下をどう掌握し動かすかにあります。これは営利・非営利に関係なくあらゆる組織に共通している基本でしょう。

なかでも今月の教え(右上)は、いざという時のために、平時に何をしておくべきかを説いたものです。

「道を修めて」の「道」とは、組織において行うべき基準のことで、企業における経営理念や行動規範に相当します。リーダーはそれを「修めて」、自ら実践したうえで組織のメンバーにも要求していく必要があります。

「法を保つ」の「法」は、社則やコンプライアンスにあたります。

つまり、「道を修めて法を保つ」とは、リーダーが自部門で経営理念の達成や行動規範の実践を率先垂範して、メンバーを指導育成する。そのうえで違反したメンバーがいたら厳正に処分していくことで、組織の活性化と規律との両方を実現していく、ということなのです。

例えば、メンバーに頑張りとルール遵守を要求しておいて、リーダー自身は手抜きをしたり道に外れた言動を繰り返している組織では、心底からリーダーの指示に従おうというメンバーは育ちません。そんな状態で戦闘状態――ライバル社との競争、赤字続きや不祥事発生の苦しい時など――に入り、「苦しいが踏ん張って戦おう!」と叱咤激励したところで、皆、我先にと逃げ出すものなのです。

また、問題発生のつど、単にルールと罰則を追加している組織では、メンバーの心を無視していますから、“抜け道”を探し出すようなメンバーが出てきてしまいます。

この教えは、スキルやルールといった業務環境の準備だけではなく、普段からメンバーの心をつかんでおくマネジメントが必要不可欠であり、それによってこそ、いざという時に組織としての力を発揮させることができる、と説いているのです。

カテゴリー解説

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