J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年12月号

Column 江戸時代の商人道に学ぶ 近江商人、伊勢商人、大坂商人、富山商人の心得とは

日本企業には、伝統的にビジネスと倫理観とを両立させてきた会社が多い。
例えば、パナソニックの創業者、松下幸之助は、昭和4 年に次のような綱領を制定している。
「営利と社会正義の調和に念慮し 国家産業の発達を図り 社会生活の改善と向上を期す」。
この頃の松下電器製作所は従業員300人程度だったが、すでに社会貢献という高い理想を掲げていた。実はこの話にはちょっとしたいきさつがある。
当時、事業が成功しつつあった同社の税金申告額は、年々増える一方だった。
不審に思った税務署はある日、工場を調べに行くと連絡をよこした。
「正直すぎて損をしているのではないか」。二晩眠らず悩みぬいた幸之助は、こんな結論を出した。
「金は全て国からの預かり物にすぎない。必要なだけ取ってもらえばいいのだ」と。
儲けと社会貢献。一見、二律背反するようだが、「利益ばかり追求せず、正しく商売を行って社会に奉仕すべし」と社訓に謳う企業は少なくない。
そうすれば結果的に取引先や従業員、会社が豊かになる、と彼らは説く。
その哲学の源流は、江戸期に活躍した近江商人や伊勢商人、富山商人らの精神にある。
そこでこのコラムでは、彼らが活躍した江戸時代にさかのぼり、歴史をひも解いてみることにしたい。

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