J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年01月号

連載 ワンワード論語 第5回 「義」

前回まで、人の成長プロセスの流れ(「学」「思」→「信」→「過」→「省」)を学んできました。いよいよ、今月から“仁義礼智”など『論語』を代表するワンワードに入ります。今月は、私たちは大切な判断基準、「義」を学びましょう。

青柳 浩明(あおやぎ ひろあき)氏
安岡活学塾常任講師、(財)岩崎育英文化財団勤務。幼少から40年論語を学びSE、PM、経営企画他、多くのビジネス現場で実践を積む。ビジネス論語の伝播活動として企業等で講演等を実施する。ビジネス論語スクール主宰。日本経営品質賞審査員他。
[文] = 青柳浩明 安岡活学塾 常任講師 [イラスト] = 秋葉あきこ

義という字から何を連想しますか? マイケル・サンデル氏の“正義”、それとも年末恒例で放送される忠臣蔵の“忠義”や“義士”でしょうか。いずれにせよ、やけに画数が多く、堅苦しさを感じさせる字ですね。

● 文字の意味――「羊」?

「義」は、“羊”と“我”で構成されます。なぜ羊がいるのでしょうか。それは、このワードが生まれた頃の中国の王朝で珍重されていた動物が羊であったためです。我は、ぎざぎざとした矛を描いたもので、これらを合わせて、かどめの立った格好の良いことを表現したのが「義」です。ここから「自分の欲望や感情、私利私欲に負けずに、何が大切なのかという筋道を立てる心」という意味に発展しました。

● 義は立場で異なるもの

「義」は、自分の置かれた状況において最も妥当だと思える判断基準です。ここで重要なことが2つあります。

1つは、いざ判断を迫られた時に、その選択が最も妥当だと自信を持てるように、普段から何が最も妥当なのか、学び思案しておくことです。えいやっ!とか、だろう・よかろうで判断すると、周りや常識からずれていることがよくあるもので、周りから「あの人外れているな」と評価されます。

もう1つが、自分では最も妥当な判断と思っていても、周りや違う立場から見れば、正しいと理解されないこともあるということです。

忠臣蔵を例に考えてみましょう。江戸幕府、赤穂浪士、上杉家、吉良家、浅野家、大衆の「義」はそれぞれ異なります。幕府の立場では治安を乱す行為を防止するのが「義」です。上杉家・吉良家の立場では父上・主君をお守りするのが「義」です。とはいえ、大衆は亡き主君のための仇討ちに「義」を感じたので、世論として当時の幕府に影響を与え、300 年以上経った今でも義士として語り継がれているのです。

あなたの「義」がたとえ当初周りから受け入れられなくても、あなたが最も適切な判断だと確信できるのなら、怯まずに貫く意思が重要なのです。

● 「義」と「利」

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