J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年03月号

ワンワード論語 第7回 「知」

ビジネスでうまくいかなかった時の要因として、
よく知識不足が挙げられます。
とはいえ、その知識があれば本当にうまくいったのでしょうか。
そもそも知識とは何なのでしょうか。
今回はこの「知」を学んでいきましょう。


青柳 浩明 氏
安岡活学塾常任講師、(財)岩崎育英文化財団勤務。
幼少から40年論語を学びSE、PM、経営企画他、多くのビジネス現場で実践を積む。
ビジネス論語の伝播活動として企業等で講演等を実施する。
ビジネス論語スクール主宰。
日本経営品質賞審査員他。

[文] = 青柳浩明 安岡活学塾 常任講師 [イラスト] = 秋葉あきこ

与えられた仕事はしっかりと処理したいものです。そのためには、その仕事が要求する情報を得て、その情報に基づいたしかるべきアクションをすることが肝要であることはいうまでもありません。この、“情報を得てそれに基づいた、しかるべきアクションを実際にできること”、これが今回のワード「知」の本義です。

● 「知」とはアクションできること

「知」は、「矢+口」で構成されます。「矢」のように真っ直ぐに、物事の本質を「口」=言い当てることを表現したものです。知識や情報そのものと連想しがちですが、成り立ちから考えれば、“発言”というアクションまでをも含んでいるのです。実践を大切にした孔子は、この「知」について何度も教えており、『論語』に74 章句も登場する、重要なワードとなっています。

● 本当の“知ったかぶり”

『 論語』を読み始めると「当たり前のことじゃないか」と理解できた気になる章句が多くあります。今月の論語1は、その代表的な章句です。“知らないことは知らない、知っていることは知っているとする”。知ったかぶりをしないことが大切、ということですね。“そんなことわざわざいわれるまでもない”と思った方、本当にそうでしょうか。例えば、上司に質問された時。しっかり答えないと立場が悪くなると感じ、上司に気に入られるような回答を、時に事実ではないようなことまでしていないでしょうか。部下から相談された時はどうでしょう。相談内容が自分には難しいことなのに、いい所を見せようと、無理をしてアドバイスをしていないでしょうか。言葉として理解はできていても実践できていない、というのも“知ったかぶり”なのです。

● アクションを邪魔するもの『論語』に限らず、名言や格言というものは、大抵の人がその教えを実践できないからこそ、何百年、何千年と語り継がれているのです。

なぜ当たり前に思えることができないのでしょうか。それは先の例でおわかりの通り、私欲が働くためです。自分のアクション一つで自分に都合が良くなると感じた時、あるべきアクションではなく、自分に都合のいいアクションをしてしまうことが多いもの。こうした時、多くの人が、自分で自分のことがわからなくなってしまっているのです。

どうですか、今月の論語1が、相当に難しい教えに思えてきませんか。

実際、この教えは多くの人々に影響を与えてきました。幕末の偉人である勝海舟は、こう名言を残しています。「よし知っていても行わないのだから、やはり知らないのも同じことだ。何事でもすべて知ちこうごういつ行合一でなければならない」―『氷ひかわせいわ川清話』より

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