J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2011年10月号

TOPIC 2 「研修効果測定セミナー」レポート 教育研修の効果を時系列で測る “フローモデル”の可能性と事例

去る7月20日、東京都内のエイプルジャパン本社において「研修効果測定セミナー」が開催された。同セミナーは、有限責任事業組合ビジネスリサーチラボが開発した効果測定の枠組み“フローモデル”について説明したもの。フローモデルとはどのようなものか、セミナーの様子と合わせてレポートする。

取材・文・写真/髙橋 美香

当日のプログラムは、ビジネスリサーチラボの伊達洋駆氏によるフローモデルに関する説明と、エイプルジャパンの長田太郎氏による測定システムのデモに大別され、3部構成で実施された。

「満足度」ではなく「効果」を

第1部は、「研修業界と効果測定/フローモデルの可能性」と題して、伊達氏から、研修業界の課題と新しい効果測定法について説明があった。それによると、現状の多くの研修では“研修の満足度”ばかりが評価され、“本当の効果”が測定されていないという。「研修効果測定は、研修後のリアクションアンケートによる満足度評価に頼っているのが現状です。しかし、満足度アンケートはもともと高い結果が出やすいようになっているのです。満足度の高い研修を実施しておけば、研修会社も人事部も説明責任を果たしやすいのですが、本当の効果とは“研修内で学んだことを現場で実践できること”であり、その点については十分に測定されていない状況です」そこで、伊達氏は研修の場で効果を測定するのではなく、研修から職場活用までを時系列の流れ(フロー)として捉えて、研修効果を測定する「フローモデル」を開発したという。

つまずいたポイントを明らかに

フローモデルの基本的な考え方は、時系列に4段階に分け、各段階で5項目ずつ、アンケートを実施。それらを調査・分析して対策を施すというものだ。フローモデルは、図表1で示すように1.訓練、2.試行、3.反復、4.共有の4つの段階から成り立ち、それぞれのフェーズで、次のことを明らかにしようとしている。1.訓練:「研修直後に、研修で学習した内容がどれほどできるようになっているのか」、2.試行:「職場に戻ってから、研修で学んだことを実施して、成功したか」、3.反復:「一度成功した研修のノウハウをもう一度実行して成功するか」、4.共有:「他者に、研修で教えたことを広げているか」。企業で実施する際には、1と2は必ず測定してほしいが、3と4は、研修内容や効果測定の目的によって、省略も可能だと伊達氏はいう。フローモデルの特徴は、流れが簡単であり、実施負担が少ないこと、そして、1から4の各段階の、どの項目のところで効果が落ちているのかがはっきりすることである。たとえば、1の訓練でいえば、「内容満足」(研修の場で、学習内容に満足している)から「職場関連」(研修の場で、学習内容が職場に合致していると思っている)までの数値が高くても、「活用自信」(研修の場で、学習内容を職場でも一人でも行えると思っている)のところで落ちこめば、受講者は研修そのものには満足しているが“職場で活用できる”と考えられない要因があることがわかる。このように、受講者がどこでつまずいたのかを明らかにすることができるのだ(図表2)。また、「誰の効果が落ち込んでいるか」をはっきりさせることができるので、研修後、誰に対してフォローを行えばよいかも明確になる。

フローモデル活用事例

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