J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2010年09月号

Various way to read さまざまな読む力──階層・職種別で異なる読む力

「読む力」とは、「本を読む」などの読解力だけではない。「市場を読む」といった分析力や、「意図を読む」「表情を読む」などの、人の気持ちや目に見えないものを察知する力も指す。
これらの読む力は、階層が上がるにつれて向上・拡大していくものであり、職種によって求められる種類も異なる。さまざまな読む力を見てみよう。

藤原 泰子(ふじわら・やすこ)氏
1967年生まれ。1990年朝日新聞社入社。鹿児島支局、福岡社会部、東京総局、生活部などを経て、2008年に東京総局デスク。現在は社会グループデスクで教育を担当。

齋藤 拓哉(さいとう・たくや)氏
前職を経て2002年にアイアイジェイテクノロジー(現インターネットイニシアティブ)に入社。数多くのPM経験を持ち、現在も大小さまざまな規模のプロジェクトに携わる。

西村 努(にしむら・つとむ)氏
1999年キリンビバレッジ入社、営業配属。2000年商品企画部(現・マーケティング部)配属。缶コーヒー『FIRE』担当を経て、2009年4月より『午後の紅茶』開発に携わる。

渡邉 彩(わたなべ・あや)氏
2003年4月入社。現場研修等を経て、2004年よりフロント課ゲストリレーションズオフィサーに配属。2005年には、約半年間香港のシャングリラ・ホテルでの研修も経験した。

加藤 たけし(かとう・たけし)氏
1983年生まれ。慶應義塾大学を卒業後、人材ベンチャーにてキャリアコンサルタント、採用、WEBマーケティング、新規事業立ち上げの経験後、従業員4人のITベンチャーに参画。

世相を読む

情報から「今」を取捨選択する

情報があふれている今の世の中、新聞は、「今これがニュースですよ」とコンパクトに切り取って見せることができる媒体です。新聞社デスクの役目は、記事として掲載する情報を取捨選択すること。そのためには「世相を読む」ことが求められます。

記者時代は、人に会って話を聞き、できる限りの情報を収集してくるのが仕事でした。デスクになると、それらの情報から、今まさに世間で何がニュースとされているのか、どういったことが読者の関心を惹きつけるかという点を判断基準に、誌面に載せる内容を再構成しなければなりません。記者が集めた情報の新しい点や、背景について会話を通じて確認し、今ニュースなことを見極め、それ以外の情報は捨てる。読者を迷わせないためにはできるだけ簡潔にする必要があるからです。

もちろん、いつもベストの判断ができるとは限りません。この判断力は、読者の方からお便りをいただいたり、他のメディアに取り上げていただいたりといった、読者の反応に鍛えられてきた部分も大きいですね。

判断の方法はデスクによってもそれぞれ異なりますから、その姿を見て学びながら、「読者が記事に関心を持つか」を常に自分に問いかける毎日です。

また、「今ホットな情報」を把握するためにも、毎日のニュースや、話題の書籍や映画はできる範囲でチェックしています。それだけではなく、日々の生活での皮膚感覚は重要ですね。スケジュールが変則的になりがちな仕事ですが、意識的に子どもの行事に参加したり、できるだけ多くの人に会ったりするようにしています。

というのもやはり、そうした日常からこそ見えてくるニュースがあるから。記者やデスクも1人の生活者。当たり前のこと、日々の現実に真摯に向き合うことが大切だと考えています。

そしてなるべく幅広い関心を持つように心がけています。今、人々の興味関心は狭く深くなる傾向がありますが、大切なのは、自分の立場だけにこだわらず、人の立場に立って考えられる想像力。そこから、世間で必要とされている情報が見えてくるのだと思います。

先を読む

経験と振り返りから、先手を打つ習慣を

プロジェクトを成功に導くうえで欠かせないことは、いかに早くリスクに気づき、つぶしにかかれるかということです。そのためには、プロジェクトマネジャー(PM)として正しく「先を読む」ことが重要になってきます。

もちろん、PMも人間ですから迷いますよね。「失敗するんじゃないかな」とか考えたりもします。その時に、いかに先回りしてシミュレーションしておけるかがカギ。迷った時に、複数の選択肢のどれかに向かって一歩進んでみて、違ったら軌道修正する。「先を読む」というと予言者みたいですけど、実は地道なことの積み重ねなんです。

たとえば、チームメンバーとの日常の会話から、プロジェクトの健全性を確認することができます。そのプロジェクトメンバーの誰に聞いても、「大丈夫です」という答えが返ってくる時ほど怪しい。どんなにうまくいっているプロジェクトでも、何らかのリスクや課題は抱えているはずですから、それに気づいているかどうかが大切です。

そうしたリスクに気づく力というのは、やはり経験によって鍛えられるんじゃないでしょうか。過去の経験から、複数のリスク回避パターンを想定し、その先のあらすじまでシミュレートしておくことが重要です。たとえばAかBか選択に迷った時に、顧客にどちらが良いか聞いてみる。そこで「Aで」といわれた時に、それを受けてから対応したのでは遅い。冷静に物事を見て、あらかじめ先手を打っておく習慣が「先を読む力」として鍛えられていくのだと思います。

ただし、過去の経験が成功体験だけでも失敗体験だけでもだめ。その両方をバランスよく経験し、振り返りから学び取っていける人が、「先を読める」PMになれるのではないでしょうか。

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