J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2010年09月号

特集 基本シリーズ 基本能力 読む・書く・考える若手だけじゃない! ベテランも管理職も・・・・・・ 読む力を強化する

「読む」「書く」「考える」力の低下が深刻

「『マニュアルに書いてなかったので、対応できませんでした』ということを、平気でいう人が増えたんです。頭を抱えてしまいますよ」

と話すのは、あるサービス業で新人から中堅社員の教育を担当している40代の男性社員である。「マニュアルはありますが、私はこれまで大事なのは、自分がお客様だったらして欲しいと思うことをすることだと教えてきました。ところが最近、この方法が通用しなくなってきたのです。『自分はお客様ではないのでわからない』という人が出てきました」

このような人に限って、不適切な対応をした時に「なぜお客様の立場で考えなかったのか」と聞くと、冒頭のようなことをいうのだという。「彼らのいう『マニュアルに書いてない』というのは、『答えが書いてない』という意味なんです。マニュアルなんですから、個々の状況についてすべて答えが書いてあるわけがないのですが……」

この男性は溜息をついた。

「本を全く読まない」人は6年で10ポイント増加

先の例のように、ビジネスパーソンの基本的な力が低下しているといわれている。日本語をきちんと読み、書き、そして考えるといったことができないのだという。

現状はどうなのだろうか。読書量の減少や、書くという習慣の変化を示す調査がある。

文化庁では全国16歳以上の男女に対して、言葉の使用状況や読書習慣などについて調査を続けている※1。平成20年度に実施した「国語に関する世論調査」では「1カ月にどれくらい本を読むか」を聞いているが、「全く読まない」と回答した人は全体の46.1%であった。同じ質問をした平成14年度調査では37.6%であったから、本を全く読まない人が、6年間で約10ポイントも増加したことになる(P22上)。

書く能力についてもいくつかの調査がある。日経産業新聞が発表した「ネット1000人調査」によれば、日本人の漢字の読み書き能力が「以前より低下した」と答えた人は全体の83%。自分の漢字の能力についても、51%が「自信がない」と答えている※2。

毎日新聞社とgooリサーチによる「『漢字力』などに関する調査」では、漢字力低下の要因を聞いている。「自分の漢字力に自信がない」と答えた人のうち73%が、パソコンや携帯電話で文章を書く機会が増えたことが、漢字力低下の原因であると答えている。実際、漢字を思い出せない時は、「パソコンや携帯電話にひらがなを入力し、変換して調べる」と答えた人が67%に上り、「辞書を引く」の29%を大きく引き離している※3。

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