J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2011年10月号

Q&A これでスッキリ!アセスメント6つの疑問

監修/髙橋 潔 神戸大学大学院 経営学研究科 教授

Qアセスメントを活用すると、どんな利点があるのですか?

A客観的に人材の資質や能力を把握し、それらのデータを能力開発や人材活用に役立てることができます。

アセスメント活用のメリットは、客観的に人材の資質や能力を把握できる点にあります。たとえば新入社員採用であれば、自社が必要とする能力要件を検査項目の点から明らかにしていれば、応募者がどの程度要件を満たしているかを数値で表すことができます。資質や能力を客観的に把握できれば、伸ばすべきところがわかり、具体的に育成計画を立てることができます。たとえば近年「部下を育てられないマネジャーが多い」という声がよく聞かれますが、マネジャーがアセスメントの力を借りて、部下にどのような能力が足りないのか、どうすればそのような能力を伸ばせるかを発見することもできる、ということです。また、既成のアセスメントツールは、多数の企業で実施されているため、比較の標準となるデータが蓄積されています。標準データの平均値や標準偏差や偏差値(標準得点)を活用すれば、自社の人材のレベルを全国平均や産業平均と比較・分析することもできます。さらに本格的に人材データを蓄積すれば、人材活用(タレントマネジメント)を戦略的に行っていく際の基礎データとなるでしょう。

Q人事考課とアセスメントの違いは何でしょうか。

A人事考課=上司による主観的な評価アセスメント=数値による客観的な評価

人事考課では、主に上司が部下の日々の仕事で見えてきたこれまでの業績や能力を評価します。対するアセスメントは、顕在化した能力にとどまらず潜在能力も含め、総合的にチェックして評価するものです。上司が見る部下の能力は、いわば“氷山の一角”。その水面下には、さらに多くの能力が隠れている可能性があります。アセスメントでは、将来必要な能力や潜在能力も含めた資質の評価・把握が可能です。適性検査、性格テスト、能力検査などの方法も、アセスメントの1つとして有効です。

Qアセスメントにはどんな種類のものがありますか。

Aアセスメントには主に5種類、1.知能検査、2.性格検査、3.面接、4.アセスメントセンター方式、5.多面評価(360度診断)があります。

1)知能検査個人が持つ能力のうち、知的能力を測定する検査法。次の4つを主に測ることができます。1.言語能力:指示された内容や新しい概念を言語で理解できる能力。言葉を流暢に扱うこと。文書・口頭コミュニケーションの基本です。2.数理能力:数値を正しく理解し、計算・分析する能力。金額や数量を扱う仕事には欠かせません。3.空間知覚能力:図形・図面・記号などを正確に知覚し、位置関係を理解する能力。設計や製造や建設の仕事に必要です。4.記憶力:指示、手続き、数量、モノの配置などの情報を記憶する能力。幅広く重宝される能力です。

2)性格検査個人の性格や行動傾向について測定し、仕事の進め方、対人関係、責任感、意欲などの側面や、特定の職務に対する適性を診断、分類します。1.問紙法:質問の回答を自己記入していくもの。2.作業検査法:指示に従って連続加算作業などの特定の作業を行い、反応結果を専門家が分析するもの。ex.クレペリン検査

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