J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年04月号

人事の職場拝見! 第27回 チャレンジするきっかけを与える意欲を成長へと導く育成プログラム

あいおいニッセイ同和損害保険の人事部は、自らを“いい会社にする部門”と位置づけ、社員の成長と活躍をバックアップしている。合併会社だからこそ持ち得る多様な人財。その個々の能力を生かし、視野の広い、意欲ある社員へと育てる人事部の取り組みを紹介する。

前を向き歩み続ける人生を支援
あいおいニッセイ同和損害保険
■会社データ
設立:1918年
従業員数:1万2980名(2012年3月31日現在)
事業内容:損害保険事業
■部門データ
人事部:84名
職務内容:人事制度、給与関連、採用、人財育成全般

新入社員はメンバー全員でアクセスして育てる

2010 年に、あいおい損保とニッセイ同和損保の合併により設立した、あいおいニッセイ同和損害保険。合併によるダイバーシティを生かす組織づくりに注力し、社員が活躍できる環境づくりをめざしている。そんな同社が理想とする人財は、“自ら学び自ら考え、チャレンジし、成長し続ける社員”だ。執行役員で人事部長の伊藤直弘氏は、「働きがいを持って自己成長を続ける強い社員を育てるために、人事部は何をすべきかをいつも考えています」と語る。自立的な人財を育てるプログラムは、入社直後から始まる。その代表例が“ファミリートレーニング体制”という新入社員の育成方法だ。新入社員に対し、先輩社員一人をメンターとしてつけるのではなく、課やグループの中で各々の役割を決め、社会人としての心構えや仕事のスキル、一般常識などを教える。「できるだけ多くの人間がアクセスし、みんなで新人を育てます。新入社員は多様な年代の社員と接することで、人間を理解する1つの経験になり、人としての成長スピードも速まります」さまざまな顧客と向き合う損害保険会社の社員は、何よりコミュニケーション力が問われる。多様性を受容できる、幅広い視野を持った人間へと育てたいと伊藤氏は続けた。

チャレンジ制度で学ぶ意欲を引き出す

“自ら学び、考える”を理想とする同社では、20 代後半から30 代前半の中堅社員対象のプログラムがある。その1つが“社内トレーニー”だ。社員が「この仕事をやってみたい」と申し出ると、該当する部署で数日間、実際の業務に携わることができる。他部署での経験をもとに自らの業務のあり方を問い直し、役割の幅を広げることにつなげている。もう1つは、“骨太人財の育成”と銘打った海外勤務である。1年に一度、営業現場や損害サービス部門の中から何名かを突然指名し、一定期間、海外での業務を経験させる制度だ。前回はアメリカに2人、タイに2人、中国に1人を送ったという。「損害保険はそれぞれの国の社会構造のうえに成り立ち、国が異なれば、求められる保障や賠償も変わります。現地でその国の慣習に直に触れ、その国の制度を理解することで、国内外で活躍できる強い人財になって戻ってきます」社内トレーニーも、骨太人財の育成も社員自身の成長への意欲が重視される。そして、その意欲を引き出すための仕組みをいかにつくるかが人事部のミッションなのだ。

女性が活躍するためのステージに添ったプログラム

損害保険の中心ともいうべき営業や窓口業務を担うのは多くが女性であり、同社でも社員の半数以上が女性である。そのため女性を対象とした施策には特に力を入れている。たとえば、業務級から基幹級に上がる社員向けに、会社の中での役割や会社をより深く理解するために何をすべきかを考える「基幹3級チャレンジ研修」、自己評価を見直し、管理職になる不安を払拭してもらう「基幹1級女性社員のためのキャリアアップ研修」などがある。管理職の育成に加え、その予備軍をどう育てていくかというラインづくりが、女性が長く働き続けるためには不可欠なのだ。「次のステージへの意識転換を促し、女性に自信を持って仕事に取り組んでもらうことが、商品力や対応力といった品質の向上につながっていると信じています」人はいくつになっても成長できると確信する同社。社員一人ひとりの成長が、これからも同社の企業としての活力を生み出していく。

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