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月刊 人材教育 2013年04月号

社労士に聞く“職場あるある” 管理職のもやもや解決 第1回「よく休む社員がいる!」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。
かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。
人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

藤原英理氏(ふじわら えり)
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03 年に独立、04 年から現職。
[文] = 山村友幸 [イラスト] = 秋葉あきこ

放っておくと何が起きる?

起こりうる問題はいくつかあります。まず、さぼっている人を放置すると、さぼらずに頑張っている人のモチベーションが下がります。同時に数名のモチベーションが下がることもあり、職場の雰囲気が悪くなったり、生産性が大幅に落ちたりします。また、当たり前ですが、コストの観点でも問題があります。Aさんの人件費だけでなく、オフィスの維持費などのコストもムダになっているわけです。それから、よく休む人というのは、退職や不祥事のリスクもあります。休みがちだった人が、何の引き継ぎもせず突然退職する、といった例はよくある話です。こうした問題は、さぼっている人だけでなく、ボランティアやサイドビジネスなど、仕事以外のことに熱中して業務効率が下がっている人にも同様にいえることです。

解決方法は?

このケースは、健康問題が絡んでいるので少し難しいですね。もし本当に具合が悪い場合、何らかの対応を取らなければ管理職としての責任を問われることもあります。健康状態については、プライベートな情報が絡むこともあるので、自身で相談に乗るのではなく、会社の指定する医師もしくは産業医に相談しましょう。産業医が選任されている場合は、職場の環境を説明しながら、該当の従業員の健康状態について相談できるので、心強い存在になるでしょう。Aさんに産業医等のところに行ってもらい、健康状態について確認してもらってください。自身に病気だという意識がなくても、いわゆる隠れうつなどといった可能性もあるので、まずはとにかくお医者さんを受診してもらいましょう。就業規則に指定医検診の条項がある会社であれば、業務命令で会社が指定する医師の検診を受けさせることもできます。健康上問題ないということであれば、現在の仕事が全くフィットしていないか、根本的に仕事に対する考え方がずれている可能性があります。そういう方に仕事に集中してもらうのは容易ではありません。注意をして待つというのも手ですが、継続して業務の生産性に問題があれば、管理職としては、Aさんの業務内容を変えるか、あるいはさぼっている事実が明らかだとすれば何かしらの処分をするしかありません。その場合は、人事部と相談しながら、異動を勧めるか、就業規則に則って、訓戒や減給などの懲戒処分を行うことになります。懲戒処分というと、大げさになりがちですが、大抵の場合は訓戒等で、始末書を書いている間に本人が反省するなり、あるいは自主的に辞めるなり、何かしらの結論が出る場合が多いものです。そもそも(病気でもないのに)さぼっているAさんが悪いのですし、周囲の人もさぼっているAさんの分を働かされていることになるわけですし、放置していても問題は改善しません(仮に放置して改善しても、管理職としての信頼は失うでしょう)。なお、処分を検討する場合は、本人に「処分を検討しているぞ」という前に、さぼっている内容について文書にまとめておきましょう。いつどういう理由で休んだか、休みの連絡はどういうタイミングで来たか、通院の証拠(病院の領収書など)があるか、といったことについてメモしてください。産業医等への受診を勧めた経緯なども残しておくといいでしょう。

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