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月刊 人材教育 2012年10月号

連載 ワンワード論語 第2 回 「信」
前回は、自分の外にある知恵や情報を自分の中にインプットする「學」、そして、それらの学びを自分に当てはめ、どう実践すればいいのかと考えるプロセス「思」を取り上げました。今回は、「學」「思」を経て、発言や行動としてアウトプットした結果、あなたにもたらされる「信」を学びましょう。
私たちが自分を表現する手段は、「言」(言葉または文字)か、「行」(実行)かの2つに集約されます。「言」や「行」をアウトプットした結果、周りからあなたに与えられる人間的価値が「信」。その文字が表す通り、「『言』を実行する人」というワードです。
その大切さを教えてくれるのが、下の今月の論語1。「信」がないと、“可なるを知らざるなり”―― 何も任せてもらえませんし、ましてや、あなたの思いや願いに誰も耳を傾けてくれず、何もうまく運ばなくなる、と教えてくれています。
● 周りから信用されていますか
よく、ニュース等で“信を問う”という政治家の発言を耳にします。実はその出典は『論語』で、「信」は人間社会を構成する基盤です。横断歩道を安心して歩行できるのも、ビジネスで契約を締結できるのも、お互いにルール・約束事を守るはずと「信」を置いているからです。一方で、おしゃべりな人に秘密を打ち明けられない、約束を守らない人に大事なお願いをできないのは、「信」を置けないからです。
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プロフィール
安岡活学塾常任講師、(財)岩崎育英文化財団勤務。幼少から40年論語を学びSE、PM、経営企画他、多くのビジネス現場で実践を積む。ビジネス論語の伝播活動として企業等で講演研修を実施中。ビジネス論語スクール主宰。日本経営品質賞審査員他。
[文] = 青柳浩明 [イラスト] = 秋葉あきこ