J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年09月号

人事の職場拝見! 第32回 社員の活力が企業の成長力 人材育成チームが起こす組織風土改革

今いる人材を大切に、磨き、鍛えて、新たな未来と事業に“創造と挑戦”を繰り広げているセイコーエプソン。「社員一人ひとりの成長が、会社の成長」という信念を体現するために人材育成のチームが取り組んだのは、教育・育成の枠を超えた組織風土改革だった。

お客様に驚きや感動をもたらす
セイコーエプソン
■会社データ
設立:1942年
連結従業員数:6万8,761名(2013年3月31日現在)
事業内容:プリンターやプロジェクターなどの情報機器をはじめ、電子デバイス、精密機器の開発・製造・販売
■部門データ
人事部:120名、うち人材育成:14名
職務内容:内定者から管理職までの階層別教育・研修、次世代リーダー育成、自己啓発支援、全社風土改革、教育・人材育成基盤となるインフラ整備・運用等

育成の主役は現場の上司OJTで部下も課長も学ぶ

セイコーエプソンでは、“人材”をかけがえのない経営資源と位置づけ、人材開発に取り組んでいる。そうした中で2012年、管理職層を中心に教育・研修体系を刷新。特に現場社員に最も近い課長層の教育と意識改革を重点に、内製による課長候補者へのマネジメント研修の新設などを図った。人事本部人事部の赤沼典昌氏は、「課長になってすぐ力を発揮できるように研修のタイミングを早めました。また、社内講師が社内事例を踏まえて講義することで、現場に即した内容になり、職場で実践しやすくなりました」と話す。一方で、主任の教育・研修カリキュラムも大幅に変更した。それまで2日間の集合研修で、意識変革し行動計画を作成するにとどまっていたプログラムに、経営課題を考察し視野を広げるための事前学習と、課題達成のための具体的なスキル付与のプログラムを加えた。さらに、課長によるOJTを通して行動計画を完遂する3カ月の実践フェーズを設け、その後のフォローアップ研修で成果を確認するカリキュラムとした。「たった3カ月ですが、意識や行動に変化が現れ、成果が出ています。さらに、教育する側の上司にも効果が出ました。実はこのプログラムには、上司を教育の主役にしたいというもう1つの目的があります。若手の成長を支援する機会を意図的に設けることで、課長自身にも課長研修で学んだことを実践してもらっているのです」

人材育成と一体化した組織風土改革

自律した社員が組織を活性化し、企業風土を形成すると考えるセイコーエプソンでは、人材育成と組織風土づくりを一体と捉え、人材育成チームが風土改革を主導している。その象徴的な取り組みの1つが、2005年から毎年実施している自律活性度調査だ。同調査は全社員を対象に、「自身の仕事への取り組み方」「上司のマネジメント」「チームの協力体制」などに関する約60の質問を5段階で評価する。特筆すべきは、人材育成チームのメンバーがその結果を事業部長や本部長など一人ひとりに説明し、事業体ごとにどういった対策を打つか行動計画を出してもらい、さらには四半期ごとに進捗状況をチェック、フォローアップまで対応することで風土改革を促していることだ。「これは成績表ではなく健康診断です。会社・職場が目標とする姿に対し、現状はどうなのか。前年と比べ何が良くなり、何が不足しているか、その理由は何か。自分の認識と周囲の評価の間にどうギャップがあるのか。点数が高い・低いという見方だけでなく、状態を再確認する機会として活用してもらっています」

情報インフラを構築し教育関連データを一元管理

人材育成チームでは、全ての教育・研修、そして組織風土の基盤となる情報インフラの構築にも力を注いでいる。一人ひとりの研修受講履歴をはじめ、自律活性度調査の結果などの情報を統合し、データベース化する。さらに、どこにどんな人材がいるのかも整理・管理し、人材の配置や転換に応用していくという。

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