J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年10月号

おわりに 読んで書く基礎、そして対話

個人が行動変容を起こし、深い思考力を獲得するための基本能力向上策とは。また、そのために人材開発部門や会社側ができることとは。OPINION2佐藤優氏(40ページ)は、きちんと考えるには読解力や論理的思考力が必要だが、その土台になる「基礎知識」を身につけるための“熟読”について語った。佐藤氏は月に300冊以上の本を読むという。やはり一定量のインプットが必要なのだ。「言語能力」も基礎の基礎だが、日本人の言語能力に危機感を覚え、2010年から取り組みを始めたのは東京都(58ページ)だ。

欧米を中心に、各国では幼少の頃から、「言語技術」と呼ばれる、言葉の使い方の“型”が教えられている。それは、自分の論理や感情を表現・説明し、折衝を行うことなどに有効だが、日本では教えられていない。そこで東京都では、お膝元である都庁や都内で働く職員、そして中高生に、言語技術を学んでもらう施策を続けている。弊誌2010年11月号で、つくば言語技術教育研究所の三森ゆりか氏は「『言語技術』が教えられていないために、日本は諸外国との交渉場面で不利な状況にある」と語った。現在は多くの企業で、若手を中心に行われているビジネス基本能力教育だが、果たして若手だけでいいのだろうか。

「はじめに」でも、弊誌アンケート結果から、管理職と中堅社員の基本能力への危機感が強まっていることを紹介したが、中堅以上に求められるレベルが高まっている可能性もある。図表は、具体的にどんな場面を見かける時に考える力が不足していると感じるかを層別に尋ねたものだが、これも2010年と比べると、2013年のほうが全体的に若手に対する数値が下がり、中堅社員の線の山はなだらかになっている。Cの「仕事のやり方を見直したり、新しい企画立案の際の発想力」やD「自分なりの解釈」、E「多角的に考えた決断」が、まんべんなく中堅社員に求められるようになった、と読み取ることもできる。中堅社員以上への、基本能力教育の継続を検討されてみてはどうだろうか。

3種の対話が思考を深める

こうした基礎教育の他にも、「真に深い思考力を獲得するための向上策」として、“対話”と“環境づくり”の重要性を取り上げておきたい。“対話”は、OPINION1山田ズーニー氏(36ページ)とOPINION3日本アスペン研究所(44ページ)、CASE3キングジム(54ページ)に際立って現れたキーワードだ。

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