J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年08月号

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第17回 才能よりも重要?「意志力」について考えてみる

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

菊池 健司(きくち けんじ)氏
日本最大級のビジネス&マーケティング情報提供機関であるマーケティング・データ・バンク(MDB)所属(URL: http://mdb.jmar.co.jp/)。人事・研修関連セクションでは社員選抜研修の一環でMDBを利用する傾向が増加中。顧客とのコミュニケーションにおいては豊富な知識が欠かせず、読書を通じてさまざまな分野の情報を貪欲に収集している。モットーは、「1日1冊」「週末精読」。E-mail:Kenji_Kikuchi@jmar.co.jp

本連載の読者や私の講演にご参加いただいた方からよく聞かれることがある。「毎日本を読むのは大変ではないですか?」「時間はどう捻出するのですか?」などが定番だが、最も多いのが「どうして続けられるのですか?」である。すでに自分の中では習慣化しているため、「なぜ?」と聞かれてもうまい返答が見当たらないというのが正直なところだ。ただ私の学生時代の読書量は今とは比較にならないほど少なかった(若い頃からもっと本を読んでおけばよかった……後悔先に立たずである)。書籍から学ぶという流れは振り返ると社会人になってからいつの間にか習慣化されていたのだ。私自身、全ての仕事を習慣化できているはずもなく気が乗らない時も当然ある。関心が低い仕事をつい後回しにする、ありがちな悪い習慣も時に頭をもたげる。今回取り上げるのは、そんな甘い気持ちを払拭させるための「意志力」というテーマである。「やり遂げる力」とも形容できよう。人材育成においても意志力を鍛えることは意識しておいたほうがいい。意志力→習慣化→成功体験→快感・満足→さらなる努力人を突き動かすのは意志力であることは疑う余地がない。そこで、自社の社員のキャラクターを一度、意志力を軸に見てみることをお勧めする。おそらく以下の4つのタイプに分類されるであろう。1.もともと才能があり、すぐに成果を出せるタイプ2.最初は情熱的だがやがて興味を失うタイプ3.あきらめず強い意志を持って粘り強く取り組み成果を上げていくタイプ4.そもそも意欲や関心に乏しいタイプ(……他にも諸々あるだろうが、今回はこの辺りにしておく)1の人材ばかりであれば、誰も苦労はしない。ただいかんせん少数派である。もうおわかりの通り、これからは3のタイプの人材が重宝される時代である。日本でこの「意志力」が一段と注目されるようになったきっかけ、それは『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル著/大和書房)の大ヒットである。2013年ビジネス書部門ベストセラー年間第1位(日販・トーハン調べ)に輝いた同書は、意志力をいかに行動に結びつけるかを説いた良書だ。学生から経営者に至るまで多くの支持を得た。ベストセラーには時代のキーワードが必ず隠れているが、いかに「意志力」が注目されているかがよくわかる。この本の大成功を受け、すぐにチャレンジできる「ネタ」が豊富な意志力にフォーカスした書籍が増加している。ちなみに私の習慣化の最初のステップは、まず「毎日15分」チャレンジを続けること。悩むよりもやってみる、全てはこの発想から始まるのではないだろうか。次号では、今回の流れを受けて「練習の重要性」を取り上げよう。乞うご期待。

1.『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』

ハイディ・グラント・ハルバーソン著/大和書房/1600円+税/2013年9月コロンビア大学心理学博士による注目の書。科学の知見をベースに「努力なんて誰でもできる」と論破している。第8章、9章をお勧めしておく。

2.『WILL POWER 意志力の科学』

ロイ・バウマイスター+ジョン・ティアニー著/インターシフト/1800円+税/2013年4月

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