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月刊 人材教育 2014年09月号

社労士に聞く“職場あるある” 管理職のもやもや解決 第18回 「高年齢者活用にまつわるもやもや」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。
人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

監修 藤原 英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉あきこ

今月のお悩み 高年齢者活用にまつわるもやもや

当社は中高年が活躍しており、60歳直前のメンバーも何人かいる。当社の定年は60歳なので、雇用延長という形で残ってもらうか決めなくてはならない。できれば残って働いてほしいが、長い目で見れば若い人に代替わりしていったほうがいいのかもしれない。今後の意向についてヒアリングしてみたところ、ほぼ全員が継続して働きたいと言っているが、リタイアについて考えたいという人もいた。また、うち1名は「両親の介護がありできれば少し時間を短くしたい」と言ってきた。今後に向けた引き継ぎなども含め、どのように考えればいいだろうか。

雇用延長と労働条件

60歳が定年であっても、解雇・退職事由に当たらない従業員であれば、希望者全員の雇用を65歳まで継続させる仕組みを導入するように、ということが高年齢者雇用安定法に定められています。いくつか経過措置などはありますが、基本的には65歳まで継続雇用するという理解でOKです。

継続雇用する際の労働条件には自由度があり、賃金・出勤日数・勤務時間の変更に関しては法的な制約はありません。極論を言えば、同じ勤務内容で、賃金を低下させるといったことも、法律上の制限はありません。60歳を越えて大幅に賃金が低下した方には雇用保険から高年齢雇用継続給付が支給されます。この給付は、賃金が75%未満になると支給され、61%以下になったところで給付率が最大になります。ただ、同一労働同一賃金が原則ですから、給与を下げる際は、労働時間や責任・管掌を減らしたりするなどの処置も必要になります。

評価指標の変更も可能です。若者への業務の移行もポイントになりますので、評価指標には「後進に仕事を教えること」を入れておきましょう。また、後進への指導を評価しながら次年度の処遇を決める、などといった仕組みを設けておきましょう。

なお、時短勤務の希望については、どうしてもフルタイムでなければ困る業務であったり、短時間勤務制度がなかったりする場合には対応が難しいでしょう。本人の都合もあるので、最終的には個別の相談のうえ決定、ということになります。

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