J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年03月号

人事の職場拝見! 第38回 仕事上の経験と内省を重視する 現場との連携でつくり出す職場教育

「企業は人が財産」を理念に、社員一人ひとりの能力を伸ばすことが会社の成長につながると考えるサトーホールディングス。ダイバーシティを推進する中で、より強い組織への変革をめざす同社では、人財開発室と現場とが連携し、現場での教育・成長を重視した人財育成に取り組んでいる。

自動認識技術によるソリューション
で世界No.1をめざす
サトーホールディングス
■会社データ
設立:1951年(創業:1940年)
従業員数:4,162名(連結2013年3月31日現在)
事業内容:自動認識ソリューションの提供を核とするグループ全体の経営戦略の策定・経営管理
■部門データ
人財開発室:10名
職務内容:タレントマネジメント、採用、研修、制度等

ダイバーシティの中でめざすクレドを軸とした育成体制

バーコードや2次元コード、RFIDなどの自動認識技術を活用した「Data Collection Systems & Labeling」をコアビジネスとするサトーグループ。そのビジネスモデルは、小売店での値札や表示ラベルをはじめ、製造工場、物流センター、病院、オフィスなど、あらゆる場面で活用されている。ソリューション開発に注力するサトーでは「あくなき創造」を社是に掲げているが、2013年4月、企業理念を整理・集約し、ミッション、ビジョン、クレド(信条)として新たに明文化。理念を具体化した「行動指標」として位置づけている。人財開発室 室長の金沢春康氏は、「当社では現在、事業のグローバル化に伴い、ダイバーシティを強力に推進しています。年齢、性別、国籍など人財が多様化する中で、共通の核となる明確な理念が求められたのです」と話す。中でも、「変化と新たなアイデアを追求する」「社員を個人として尊重し、お互いに信頼し合い、チームとして一致協力する」など6項目で構成されるクレドを軸に、それを体現できる人財を育成することが人財開発室の使命であるという。

人事と現場の連携でOJTを教育のメインに

人財開発室では「70:20:10の法則」をもとに、人の成長要因を「仕事上の体験=70%」「対話=20%」「研修・自己啓発=10%」と捉えている。「以前は研修・自己啓発に比重を置いていましたが、2013年から大きく舵を切りました。人が育つ環境とは何より現場です。畳の上でクロールのやり方をいくら教えても、水の中では泳げないのと同じで、実際の業務の中で体験し、悩み、内省するサイクルをしっかり回していかなければ人は育ちません」そこでまず、現場に一任していたOJTを見直し、各グループ会社で教育担当のトレーニングマネジャーを選任。人財開発室にはそれぞれのグループ会社を担当するHRビジネスパートナーを置いた。トレーニングマネジャーとパートナーがタッグを組み、現場でしっかり人を育てられる環境づくりを一緒になって考えていく体制を構築したのだ。「習得すべき知識やスキルの明文化、仕事のマニュアル化、スキルマップの作成など、現場と人財開発室が密接に連携し、現場での成長をどのように図るかを形にしています」

上司と部下の対話強化で現場育成力を向上

一方、職場で実際に部下を指導する立場としてキーとなるのがマネジャーである。その強化を図るため、人財開発室ではマネジャーたちを集め、OJTや教育の仕組みを考えながら、グループワーク形式でお互いの経験を共有したり、学び合う「マネジメントフォーラム」を国内の主要拠点でスタートさせた。また、マネジメントコンピテンシーを明示し、マネジャー自らが弱みや課題を見つけ、どう克服するかを考える機会をつくった。そのうえで部下一人ひとりとの月1回30分の面談を課した。メンバーに対しても、上司と話したい事柄をあらかじめ整理し、受け身ではなく、面談に積極的にコミットするよう求めているが、これは「70:20:10の法則」における“対話”の質の向上にもつながっているという。「企業は人が財産。だからこそ、我々は“人事(ひとごと=他人事)”ではなく、“人財開発室”なのです」サトーにおいて、「あくなき創造」の具現はビジネスだけではない。将来を担う人財の創造においても日々、挑戦を続けている。

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