J.H.倶楽部

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Learning Design 2020年11月刊

気づきのエンタ MOVIE 魑魅魍魎の「人事」に翻弄される政治侠客

人材開発担当者にご紹介したいエンタメ情報です。
仕事の合間の息抜きにぜひ!

『なぜ君は総理大臣になれないのか』
2020 年 日本
監督:⼤島 新
配給:ネツゲン





樋口尚文(ひぐち なおふみ)氏
佐賀県出身。映画評論家、映画監督。
早稲田大学政治経済学部卒業後、電通に勤務。
30年にわたり会社員をしながら映画評論家、映画監督として活動。
著書に『大島渚のすべて』(2002年)他多数。
映画作品に『インターミッション』(2013年)、『葬式の名人』(2019年公開)など。

この作品をいち早く見せていただいたら、しこたま面白く、案の定ドキュメンタリー映画としては異例の話題作となっている。それも当然だろう。たとえば極めて理知的な政策により新型コロナを封じ込めた台湾のあり様などを見るにつけ、国民はコロナ禍に右往左往する政府の無為無策に不安と動揺を禁じ得なかったはずである。露呈したのは、政治家がここまで国家的なリスクを何も考えていなかったのか、という正体だった。

17年にも及ぶ“人間悲喜劇”

しかし本作に登場するのは、したたかに国家の将来像とリスクを考え、なんとか日本をサバイバルさせねばと本気で考えてきた政治家であり、多くの人は本作を観て「政界にもこんな人がいたのか」と驚くだろう。しかし描かれるのは、彼のヒロイックな姿ではなく、ひたすらにズッコケまくり七転八倒する様子なのだ。そこに多くの良識ある観客は共感し、思わず笑い、そして憤ることだろう。

そもそもこの作品は大島新監督が、奥方の同級生で自治省の官僚から政界へ打って出ようとする小川淳也氏に興味をもち、『政治家になりたい!』という企画書タイトルでカメラを回し始めたものだ。爾来、実に17年、若き志に燃えていた小川氏に「魑魅魍魎の棲みか」のごとき中央政界の理不尽なトラップが次々と立ちはだかる。その最たるものが例の小池百合子人気に翻弄された民進党の迷走で、小川氏はおよそ自らの志とは相容れない形で希望の党からの出馬を余儀無くされる。それもこれも党内での仁義と筋目を通した小川氏の苦渋の決断なのだが、それをつゆほども知らぬ地元香川の有権者からはこっぴどい言葉で愚弄される。

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