J.H.倶楽部

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Learning Design 2019年05月刊

連載 私らしく生きる 第6回 フリーアナウンサー 高橋真麻氏 決して背伸びはしない “等身大の自分”を大切に ハッピーを届けたい

いまやバラエティ番組や情報番組のMC・コメンテーターとしてもお茶の間に欠かせない、フリーアナウンサーの高橋真麻さん。フジテレビ入社当初のバッシングの苦労や、そこからどう立ち上がり、自分らしく現在のキャリアを築いたのか。
いまだから話せる本音を聞いた。

高橋真麻(たかはし まあさ)氏
フリーアナウンサー。1981年、東京都出身。2004年フジテレビジョンアナウンス室入社後は、ニュース番組のみならずバラエティ番組にも出演、体当たりのパフォーマンスや圧倒的な歌唱力を披露し、人気を博す。
現在は「スッキリ」(日本テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)、「ソレダメ!」(テレビ東京)など多数の番組にレギュラー出演中。MCやコメンテーターとしても活躍する。

[取材・文]=平林謙治 [撮影]=山下裕之

「真麻らしさ」って何だろう

――ご活躍ぶりを拝見していると、当連載のタイトルである「私らしく生きる」の言葉がまさにぴったり!という印象です。高橋さんご自身は、「私らしさ」をどんなふうに考えていらっしゃいますか。

高橋真麻氏(以下、敬称略)

実はフリーになりたての2013年ごろ、番組の打ち合わせなどで「真麻さんらしくやってください」と言われることが多くて、正直すごく悩んだんです。「この方がいま求めている“私らしさ”って何だろう?」って。悩んだあげく、フルスイングしては空振りばかりという日々でしたね(笑)。フジテレビ時代は基本的に、会社や上司が私の実力や個性を把握していて、それがハマる番組に呼ばれるという感じでした。だから、自分で「私らしく」と意識することもなかったんです。

フリーになって、初めてご一緒する制作スタッフの方に「真麻さんらしく」と言われたとき、私はどう見られているのかしらと、逆に不安になりました。でも、2、3年たってからでしょうか。ようやく求められているキャラクターや振る舞いがわかるようになってきて、最近は少しずつですが、私なりの“私らしさ”で番組づくりをしています。

とはいえ、フリーは本当に厳しい世界で、毎回ベストパフォーマンスが当たり前。きちんと結果を残さなければ、次は呼ばれません。緊張の連続です。どんなリアクションをすればいいのか。どんなエピソードが求められているのか。用意していたコメントが他の共演者の方とかぶってしまったら? と、つねに頭を回転させています。しかも、バラエティでは、そういう頑張りが見えてしまうと観る側が笑えないじゃないですか。その点、芸人さんは本当にすごい!

トークがお上手なうえに、笑いをとってらっしゃいますからね。勉強されているんだなと、いつも感心させられます。

――高橋さんも、そんな陰の努力をされているわけですね。

高橋

やっぱり話がウケなかったり、すべったりすると悔しくて。また、コメンテーターのお仕事では言葉に大きな責任も伴います。だからといって、優等生発言ばかりではつまらない。ときにはエッジの利いたコメントも言わなければならないので、いろいろ工夫するようにしています。

もちろん、エゴサーチもします。視聴者の方の反応が直接確かめられるので、「こういう言い方をすると、こんなふうに受け止められるのか」「こういう所作をすると、気分を害される方もいるんだ」と参考になることが多いんです。局アナ時代は、視聴者センターに届く意見やクレームを組織内で共有していました。いまはそういう機会もないので、自分からリサーチをかけて、厳しい評価にも真摯に向き合おうと思っています。

誰でもいい仕事こそ、懸命に

――明るく楽しく、天真爛漫なイメージの高橋さんとはまた違う、別の一面をうかがった気がします。

高橋

信じていただけないかもしれませんが(笑)、もともとは超がつくほどまじめで、まさか自分がこんなキャラクターになるとは思いもしませんでした。フジテレビに入社したころは、コネだ、七光りだ、ブサイクだと、ネットの就職掲示板などでさんざん叩かれたこともあって、すごくネガティブになっていたんですよ。殻に閉じこもってウジウジして……。変にまじめだから、悪口を受け流せなかったんですね。

――そもそも、なぜテレビ局のアナウンサーを志望されたのですか。

高橋

何かを表現したり、伝えたりすることには、子どものころから憧れがありました。キャスターごっことか、食レポごっこなんてやっていましたからね。一方で安定志向だったので、父のように、華やかだけど不安定な仕事に就くことには抵抗があって。私のなかで両方の思いをうまく満たすのが、“局アナ”という道だったんです。

でも、現実は甘くありませんでした。入社する前は、あれがやりたい、これもやりたいと夢いっぱいだったし、その夢に向かって努力もしてきたつもりだったのに、実際に組織に入ってみると、自分の意思が通じるなんてことはほとんどない。本来、社会や仕事とはそういうものなのに、当時の私はあまりにも世間知らずだったんです。厳しさに打ちのめされているところに、いわれのないバッシングも加わって、本当につらかった。辞めようと思ったことも、一度や二度ではありません。

――お父様からの助言が立ち直りのきっかけになったそうですね。

高橋

はい。入社してからずっと、「空いている女子アナなら、誰でもいい」というような仕事しか回ってこなかったので、「他の女子アナはみんなきらびやかな仕事をしているのに、どうして私だけ?」と、腐りそうになった時期があったんです。1日中リポートしても全カットされたり、手しか映っていなかったり。

でも、父に相談したら、「誰でもいい仕事こそ、一生懸命やりなさい」と言ってくれました。「最初は『誰でもいい』と思って任せた仕事でも、結果が良かったら、次からは『真麻でもいい』じゃなくて、『真麻がいい』というふうになるからね」と。

父の言葉で、辞めずに踏みとどまることができたのは、本当に大きかったと思います。辛抱すれば必ず道は開けるなんて、甘いことは言いたくないのですが、少なくとも、あそこで逃げ出していたら、いまの私はありません。

批判やクレームも成長の糧に

――誹謗中傷に苦しんだ経験がありながら、いまもエゴサーチを欠かさないあたりに芯の強さを感じます。もう見たくない、知りたくないとは思わないのですか。

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