“敗者復活” こそが人事部門の新たな哲学 中高年に多様な選択肢を提供できる制度構築を
厳しい企業間競争が続くなかで、中高年を主な対象としたリストラの嵐は収まりそうもない。しかし、その一方で、企業にとって有用な人材までも流出してしまうケースも後を絶たす、改めて中高年を活かす人材マネジメントが注目されるようになっている。ここでは、再就職支援事業に携わり、多くの中高年者と接してきた経験を持つJMAM チェンジコンサルティングの塩川正人氏にご登場いただき、ローパフォーマーを戦力化するための基本戦略について話を伺った。
人事部こそ「可能性開発」の発電所
人事部門ほど、可能性に満ちた部門はない。
トップと直結しているだけでなく、現場の個人とも直結している。さらに人事制度をマネジメントする部門ゆえに、全員・全社を動かす機能を持つ。良い人事制度を良くマネジメン卜すれば、無限の改善・改革の可能性が生まれてくる。まさに「チェンジ・エージェント」であり「触媒の大」となる。しかし悪くマネジメントすると、社員のやる気を失わせ、会社不信の発信地になりかねない。さてどちらの大事部が多いだろう?
私は後者の方が多いと思う。なぜなら一般に日本の会社は、人事制度をマネジメントするプロが少ない。「人事」という人の一生に最も深くかかわる部門に、その「専門家」がいないことは、多くの損失をもたらしているからである。とりわけ、その被害にあうのが「マイナス評価」を受けた人々だ。
例えば、
・上司に嫌われ、差別的な悪い評価を受けている人
・外的要因で業績を下げた人
・人件費が高いというだけで、マイナス評価をされている人
・学歴にハンディのある人
・本来持てる能力を発揮できない人
・トップに嫌われている人