J.H.倶楽部

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Learning Design 2018年09月刊

ワーク&ラーニングスペース最前線 第2回 野村総合研究所 みなとみらいトレーニングスクエア(神奈川県・横浜市)

どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏が
企業の研修施設やオフィスをめぐり、学びを促進させる工夫を解説する。

東京大学大学院
経済学研究科 准教授
稲水伸行氏

1980年広島県生まれ。2003年東京大学経済学部卒業。
東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員・特任助教、筑波大学ビジネスサイエンス系准教授を経て現職。
経営パフォーマンスを高めるオフィスについて研究を行う。

[写真]=中山博敬

働き方改革を意識した施設

「コンセプトは“集める”ではなく、“その場その場で学ぶ”です。社員の自律・自立を促し、効率的に時間や場所にとらわれない学びを提供するために、最新のインフラを整えたのが特徴です」

そう話すのは、人材開発部の中村公彦氏。同社のみなとみらいトレーニングスクエアは、2018年7月に完成したばかりの新しい研修施設だ。昨年竣工した、従業員4000人が働く横浜総合センターのワンフロアに居を置く。

これまで利用していた横浜ラーニングセンターは、横浜総合センターから電車で4駅ほどの立地で、一棟全体が研修施設という大規模なものだったが、今回はビルのワンフロアに集約したという。その理由はなぜか。

「17年間利用していましたが、社内研修を取り巻く環境変化が移転の大きな理由です。以前は宿泊設備も備えていましたが、新施設にはありません。家庭の事情等で宿泊できない人もいますし、研修は缶詰にすることが目的ではありませんから。働き方改革や自律・自立を求めていく中で、時間や距離によるムダを省き生産性を上げようと、今の形になりました」(中村氏、以下同)

最新設備を備えた研修室

研修室はA ~ G の7つ。A ~ C は連結すると560人も収容できる広々とした研修室になる。特徴は、光ケーブルでコントロールされ、遠隔で学ぶのに適したテクノロジーが駆使されているということだ。天井にカメラがついていて、セミナーや講演を行う際は、LIVE で他拠点に配信できる。録画をして、後にeラーニングとして提供することも可能だ。

「地方の拠点にいる社員はセミナーの参加が難しかったのですが、中継によりいつでもどこでも学ぶことができるようになりました。三脚とビデオカメラで録画をする必要がなく、時代に合ったシステムになったので、使い方次第でいろいろな可能性があると思っています」

例えば、先日、同社の此本臣吾社長が大手町の本社オフィスでブロックチェーン概論について講演を行った際は、国内海外の多数拠点に同時中継された。ここでもA ~ C の研修室を連結し、200人ほどがサテライト聴講したという。

また、1つの研修室にスクリーンは2つ備えられ、1つには登壇者の映像を、もう1つには研修のスライドを流すといった使い方をしている。登壇者が講義をしやすくするため、研修ルーム後方の白壁にもスライドの画面を映せるというのも、配慮が行き届いている。

もちろんその他の設備も充実している。グループに1台可動式のモニターを配置することで、メンバーのパソコン画面を映しながらグループ討議を進めたり、全部で200あるという可動式のホワイトボードも、使い勝手がよい。

研修室の入り口に備えられた出欠管理システムは自社開発した。自分の名前をタッチすると、入室時間が記録されるようになっており、集まっているメンバーが別フロアにある人材開発部でもすぐに分かるという。

ユニークな研修室

最新のテクノロジーに加えてユニークな趣向を凝らしているのがD とEの研修室だ。1つでも、つなげても使用できる丸テーブルが並んでいる。

「これまでは長机を使っていましたが、新しい環境にふさわしい什器を探し回ってこのテーブルを選びました。これなら対等な位置で話をすることができるので、くだけて話したりするような場面で効果的です。先日、女性向けのキャリアアップセミナーを行った時も、お互いの経験を話したりアドバイスをしたりと盛り上がっていましたね」

Dの研修室は、後方部にステージがあり、イベント等で使用できるというのもユニークだ。予約がない場合は、ラウンジとしても開放している。

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