J.H.倶楽部

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Learning Design 2018年07月刊

ワーク&ラーニングスペース最前線 第1回 日立総合経営研修所 我孫子研修所(千葉県・我孫子市)

どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏が
企業の研修施設やオフィスをめぐり、学びを促進させる工夫を解説する。

東京大学大学院
経済学研究科 准教授
稲水伸行氏

1980年広島県生まれ。2003年東京
大学経済学部卒業。東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員・特任助教、筑波大学ビジネスサイエンス系准教授を経て現職。経営パフォーマンスを高めるオフィスについて研究を行う。

[写真]=中山博敬

グローバルに対応する施設へ

「日本初の重役学校」として知られる日立総合経営研修所の我孫子研修所。かつては白樺派の文人が住み、“北の鎌倉”ともいわれたこの地に1961年、日立製作所の創業50周年を記念し、自社の管理職を対象とした研修施設として設立された。東京ドーム1つ分という広大な敷地に、研修棟と3つの宿泊棟が建つ。

研修棟はグローバル人材の受け入れに対応させるため、また、東日本大震災により一部損壊したため、2015年に全面リニューアルを行った。

「設計のコンセプトは『研修への集中と多様な対話の誘発』です。主に日立グループの役員を含む部課長以上を対象とした事業戦略やリーダーシップの研修、また、海外のリーダー候補の選抜研修等を行っています」(ラーニングセンタ長の長村岳勇氏)

研修に集中できる仕掛け

「研修への集中」を促す仕掛けのひとつが、建物のエントランスを潜り抜けたすぐ先にある通路である(次ページ写真)。両脇の壁は白く、天井は黒い。そして通路の先には、照明に照らされた真っ赤な壁。

「狭い通路で視線を抑制して赤い壁に集中させることで、マインドセットのシフトを促し、非日常の学びの場にトランジットさせることを目的としています」(長村氏)

定員36人・18人の研修室と、5つの討議室があり、研修内容によって自在に使い分けられるというのも、研修への集中につながるポイントだ。

「研修室は、様々な研修スタイルに対応できるように、あえて階段教室を採用せず正方形にしました。テーブルも椅子もホワイトボードも可動式で1人1つ使用できるので、グループワークやペアワークなどに応じて、自由にレイアウトを変更できます。プログラムはディスカッション中心なので、20人が立ちながら、エキサイティングな議論を行うこともあります。研修最終日は、テーブルをコの字型にして研修の成果についてプレゼンをすることが多いですね」(長村氏)

全てが可動式で立ったり座ったりしやすいというのは、積極的な議論につながる。研修への集中や議論の活性化を促す仕掛けといえるだろう。

さらに研修室では、タブレットを標準装備し、ICT を活用した研修を行っている。また、どのようなレイアウトでも均一な光が届くよう、照明器具も工夫しているという。

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