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月刊 人材教育 2011年11月号

特別レポート 差別化が進む研修施設・貸し会議室 研修市場にも震災ショック 各社はサービス面の再強化に注力

2008年のリーマンショックを境に、大きく縮小した研修サービス業界。2010年度の後半から、ようやく回復基調に乗ったものの、本年3月の東日本大震災で市場は再び大きなダメージを受けた。そうしたなかで、研修施設、貸し会議室などを提供する研修関連サービス各社は、ハード・ソフト両面のサービスを改めて強化し、市場の掘り起こしに努めている。研修サービス市場の最新動向をレポートする。

取材・文/井戸沼 尚也

震災で回復基調がストップ

大企業の業績回復に合わせて、ようやく回復の兆しを見せていた研修サービス市場。2008年後半のリーマンショックで大きく縮小した市場は、2010年度の第4四半期に、やっとリーマンショック以前に近いところまで回復してきたところだった。そこに、2011年3月11日、我が国に深刻な打撃を与えた東日本大震災が発生。震災は、研修サービス市場も直撃した。震災後、研修サービス事業者の営業、受注活動は停滞気味であるという。その影響は2011年度上期の研修サービス市場規模に少なからず出ると予測されている。矢野経済研究所が実施した「企業向け研修サービス市場に関する調査結果2011」によると、2010年度の企業向け研修サービス市場の総市場規模は、4,630億円、前年度比1.7%減となった。これは、2009年度の市場規模と大きく変わらず、リーマンショック後の影響が色濃く残っていたことを示す。2011年度の市場規模は、4,580億円、前年度比1.1%減と予測されている。リーマンショック以前のピークである2007年度の市場規模(5,750億円)に比べると、1,170億円も市場が縮小した形だ。2011年度からは回復基調に乗ると思われた市場が、震災ショックで最低水準のままで推移するという予測である。一方で、震災が起きたからと言って教育が不要になるわけではないという考え方もある。事実、同調査に関連して行われた、研修サービスを利用するユーザー(企業など)へのアンケート調査※によると、2011年5月時点において「前年と比べて集合研修の実施回数・規模がどう変化したか」に対して、「変わらない」が最も多く(55.7%)、「減っている」(23.9%)、「かなり減っている」(9.2%)を大きく上回る結果がでた。「増えた」という回答も、11.2%あった。2010年度の研修市場を支えたのは、グローバルマネジメント、グローバルリーダーシップ、MBA、語学研修などの「グローバル人材育成」に関する研修だ。これらは、企業のグローバル化が進展している現状を見る限り、今後も市場に貢献することが予想される。震災の影響がいつ、どこまで払拭されるのか、不透明な点も多いが、2012年度以降、市場は再び拡大に向かうと考えられている。

フレキシブルな料金体系で差別化

研修関連市場全般が落ち込むなか、研修施設、貸し会議室などを運営する各社は、ハード・ソフト両面のサービスを強化し、需要の掘り起こしを進めている。東京、大阪、名古屋、横浜で事業展開する東急グループの貸し会議室運営会社TCフォーラムの東京営業課課長・中川卓之氏は、同社の状況について次のように説明する。

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