J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2018年03月号

部長職にふさわしい 学び方とは?

変化が激しく、先行きが見通しにくい経営環境の中で、組織の上級階層である部長職の役割も以前とは変わってきている。そうした変化を踏まえ、日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)では、部長職を対象とした新たな研修コースを開発した。そこで、開発の中心メンバーの一人で、部長職研修の講師としての実績も豊富な田崎洋氏に、昨今の部長職に求められる役割と、JMAMが提供する新たな部長職研修のポイントについて聞いた。


田崎 洋氏
研修ラーニング事業本部
チーフHRM コンサルタント

●お問い合わせ先
株式会社日本能率協会マネジメントセンター カスタマーリレーション部
〒103-6009 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー
TEL:03-6362-4343
E-mail:customer-relation@jmam.co.jp
URL:https://www.jmam.co.jp

変化する部長職の役割

田崎氏は、ここ4年間の部長職研修の変化について、次のように述べる。

「本誌2014年4月号に掲載した記事広告では、部長職という名の“大課長”が多くなっており、処方箋はそれぞれの企業で異なるものの、ねらいは“視座を上げる”ことにあると述べました。あれから4年、JMAMでは多くの組織の部長層の研修を行ってきましたが、その経験から得られた部長職育成の要諦は、視座を上げることで『意思決定の重要性』と『組織の集団としての独自性(価値づくり)』に結びつけることであると結論づけました」

背景には、図1のような組織のマネジメントの変化がある。左の図は、アメリカの経営学者アンゾフが示した、従来の組織における意思決定モデルである。同モデルでは、組織の意思決定を「戦略的意思決定」「管理的意思決定」「遂行的意思決定」の3つに分類している。戦略的意思決定を行うのは部長職以上、管理的意思決定を行うのは課長・係長クラス、そして遂行的意思決定を行うのが現場の一般社員に当たる。

「現在のように、環境変化が激しく見通しを立てづらい状況では、図1のように戦略的意思決定が速やかに遂行的意思決定に結びつく必要があります。マネジメントの本来的な目的である『機会損失を減らす』ためのスピードが要請される時代になって意思決定とその実行のあり方に変化が求められているのです。一方で中間の管理的意思決定は、ICTの進展により、人が行う必要性が低下しています。そのような中で、部長職には、現場の第一線と密接につながり、戦略を的確・迅速に遂行すると共に、現場の情報によって戦略を適宜見直す役割が求められています」

「能力」開発から「姿勢」醸成へ

「戦略的意思決定を、いかに迅速に遂行させるか」が問われる中で、部長職は何を身につけるべきか。田崎氏は、個々の知識やスキルといった能力のみをただ磨くのではなく、部長職に不可欠な姿勢が備わっていることの重要性を指摘する。

「JMAグループが大事にしてきたマネジメントの原点に、畠山芳雄のマネジメント理論があります。その中で、部長職に不可欠な姿勢として挙げられているのが『全体最適』『長期指向』『重点集中』『対案選択』の4つです(次ページ・図2)。すなわち、組織としての価値観に基づいて全体を俯瞰し(全体最適)、目の前のことに惑わされず将来のありたい姿を描き(長期指向)、本質を見極め(重点集中)、複数の手立てを講じる(対案選択)こと。この4つの姿勢を日々錬磨していくことによって、戦略を迅速に遂行することが可能になります」

4つの姿勢はこれまで、一つひとつが独立した姿勢として解釈されてきた。新たな研修コースでは、この4つの姿勢を意思決定の一連の流れ(プロセス)として解釈することに重点を置いたという。

「従来の研修コースでは、4つの姿勢を紹介にとどめ、革新組織のケース研究などを通じた『能力』の開発を軸に据えてきましたが、今回新たに開発したコースは、『姿勢』の醸成に主眼を置いています。ケース研究の中で、4つの姿勢を一連の意思決定プロセスとして活用します。部長としてありたい姿を自ら描き、課題解決、職場運営を行動実践することをめざすとともにその実現に不可欠となる知識・見識も養う研修コースにしました」

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