J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2017年11月号

企業の研修施設に突撃! 研修効果を高める ラーニングスペース 第3回 住友商事

「空間設計」は、社員の学びを促進する重要な要素のひとつである―。そう語
るのは、オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行
氏である。特に企業が保有する研修施設には、研修効果を高め、学びを促進する
工夫があるはずだ。そこで本連載では稲水准教授が企業の研修施設をめぐり、
研修効果を高める工夫について解説する。今回は、住友商事の「住友商事グロー
バル人材開発センター」を訪ねた。

住友商事
1919年創業。65の国と地域に拠点を有し、さまざまな産業分野における企業・消費者との信頼関係をベースに、多角的なグローバル事業を行う。資源開発や製造事業、流通事業から小売・サービス業に至るまで、総合力を活かした事業を展開する。
資本金:2193億円(2017年3月31日現在)、従業員数:連結7万900名、単体5342名(2017年3月31日現在)


稲水伸行(いなみず・のぶゆき)氏
東京大学大学院経済学研究科 准教授
1980年広島県生まれ。2003年東京大学経済学部卒業。東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員・特任助教、筑波大学ビジネスサイエンス系准教授を経て現職。経営パフォーマンスを高めるオフィスについて研究を行う。

[写真]=野瀬勝一、住友商事提供

住友商事グローバル人材開発センター

好立地を活かし、柔軟に利用

「『グローバル人材育成の拠点』『価値創造空間』『環境への配慮/ BCP拠点』という3つのコンセプトを掲げて、2012 年に竣工しました。特に、コミュニケーションを取りやすい空間づくりに力を入れています」

そう話すのは、住友商事人事部人材開発チーム課長代理の唐澤圭氏。

今回訪れた住友商事グローバル人材開発センターがそびえるのは、本社にほど近い銀座7丁目です(写真1)。築地や銀座など江戸文化の中心地へのアクセスも良好で、なるほど、これは海外から訪れるスタッフにも喜ばれるでしょう。

建物は地下1階、地上9階建てで、2階と3階が研修室、4階が食堂、そして5階から9階が宿泊施設になっています。また、テラコッタルーバー※でつくられた外壁も特徴的。茶色のボーダー柄のデザインは、住友グループの起源である別子銅山に由来し、銅の積層をイメージしているそうです。

「当社では、海外スタッフを東京に呼んで実施するナショナルスタッフ研修や人事部主催の階層別研修など、年間約300 本の研修を行っています。当センターは、そうした社内研修に加え、部署単位で合宿を行ったりグループ会社で利用したりと、自由度の高い使い方をしています」(唐澤氏)

では早速、施設内を見学していきましょう。

※テラコッタルーバー……焼土材を用いた細長い板を、隙間を空けて平行に組んだもの。

遊び心溢れるゲストルーム

なんといっても特徴的なのが、5フロアにわたる宿泊施設です。全部で59 のゲストルームがあり、計60 人の宿泊が可能です。

「フロアごとにテーマを設定していて、5階は北米、6階は南米・オセアニア、7階はヨーロッパ、8階はアフリカ、9階はアジアとなっています。このテーマは、人材開発チームで策定しました。テーマに合わせた調度品や壁紙、また、部屋ごとに異なるオブジェやクッションも、人材開発チームのメンバーで選んだものなので、想い入れがあります」(唐澤氏)

まず見せていただいたのは、9階のツインルーム(写真2)。部屋に入ると迎えてくれるシーサーの置物ひとつ取っても、人材開発チームのこだわりが感じられます。こちらの部屋はバリアフリーに対応していて、車椅子が十分通れるようなゆったりした造り。もちろん介助者の方も一緒に宿泊することが可能で、ビジネスホテルと同様に冷蔵庫や金庫なども完備されています。

続いて拝見したのは、アフリカがテーマという8階のシングルルーム。キリン柄の壁紙やゾウの写真が特徴的です。どの部屋も遊び心があるのに加えて、快適さを意識したゆったりした造りになっています。

「旅館業の許認可を取れる設計になっているので、通常のホテルと変わりありません。『ビジネスホテルより快適に過ごせた』という感想を頂くことが多いです」(人事部 人材開発チーム長 井上尚幸氏)

デザイン性の高いラウンジ

また、各階にはコミュニケーションルームと呼ばれるラウンジがあります。こちらも各フロアのテーマに合わせてデザインされています。

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