組織と個人の問題に効く! 心理学ミニゼミナール 第12回(最終回) 社会的証明の原理
心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。
そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。
第12回(最終回)社会的証明の原理
多勢の動きが気になる
「我が社の90%の人は○○をしている」―このように言われると、人は「○○をするのが当然」という意見に一気に傾きます。これは「社会的証明の原理」と呼ばれるものです。社内や部内の意見を調整したい時に覚えておくと、役に立ちます。
例えば、オフィスを禁煙にしたい時。社内の大多数が「禁煙を実施したいと思っている」と言えれば、反対派にも意見を変えてもらいやすくなります。あるいは、「最近、○○関連企業の多数が禁煙を実施した結果、生産性が向上しているという報告がある」などと、統計的事実を紹介できれば、効果は絶大です。しかし、特にデータがなくても、十分効果を発揮します。