組織と個人の問題に効く! 心理学ミニゼミナール 第4回 注意の残留
心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。
そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。
第4回 注意の残留
“ながら仕事”が良くない理由
心理学では「注意の残留」という現象が指摘されています。人は、1 つの作業から別の作業へと「スイッチ」しても、どこかで元の作業のことを「モニタリング」して、注意を向けているというものです。
例えば、ラジオでプロ野球中継を聞きながら、ものを書いている時。「打った!」というアナウンサーの声で意識が野球のほうにスイッチされると、仕事に戻っても、しばらくは野球中継に注意が「残留」するのです。
そのため、「ながら仕事」をするより、1つの仕事に集中したほうがいいというのが、心理学での通説です。