人事の職場拝見! 第47回 キッコーマンビジネスサービス 大きな“組織活性化” めざすのは会社の垣根も越える
しょうゆをはじめとしたしょうゆ関連調味料、食品、デルモンテ製品、マンズワイン、豆乳飲料、バイオ研究開発など、多彩な事業を展開するキッコーマングループ。その人事・研修業務を束ねるキッコーマンビジネスサービス人事部 東京人事グループ人事チームでは、グループのシナジーを高める環境づくりに取り組んでいる。
CEOとの合同セッション
2009年に持株会社制に移行したキッコーマングループ。その際、グループ企業の間接業務を担う「キッコーマンビジネスサービス」が新設された。その目的は、①グループ戦略機能の強化、②事業会社の価値創造力の強化、③グループシナジーの発揮である。
2013年6月、持株会社であるキッコーマンの代表取締役CEOに就任した堀切功章氏は、所信表明で、①キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする、②おいしさに真剣に取り組む、③社員を活かし活気あふれる会社にする、の3つのテーマを掲げた。これを受け、人事部東京人事グループ人事チームが今、推進しているのが「グループ全体の組織活性化」である。
その第1弾として昨年度、CEOとの合同セッションを行った。対象者は各グループ企業のミドルマネジャー約300人。CEO同席のもと、5 ~ 18人による2時間のセッションを23回実施した。人事部 東京人事グループ 人事担当マネジャーの武智正裕氏は、「CEOの掲げた3つの所信表明は、各マネジャーの考えや実践していること・したいことを自由に議論する場です。キッコーマンのビジョンをグループ全体に改めて浸透させると共に、会社間の垣根を越えたグループ全体の活性化と、シナジーの発揮をめざしています。今後も、さらなる活性化に向けて形を変えて実施する予定です」と話す。
“ありがとう”もグループ越え
従来、キッコーマン・キッコーマン食品・キッコーマン飲料・キッコーマンビジネスサービスの4 社のみ共通で行ってきた研修も、他のグループ企業を交えて行う方向で見直しを進めている。例えば、所属長候補を育成する「未来創造塾Ⅰ」は堀切CEOを塾長に、2 年間をかけて行う選抜研修だが、今年度から各グループ企業の社長と人事担当者から推薦された社員も参加し、実施されている。
また、グループの長期ビジョン「グローバルビジョン2020」を各所属長が自組織の目標に落とし込み、部下に伝えていく「組織活性化ビジョン」の取り組みも、経営企画部に連動しグループ展開が進められている。