連載 誌上コンサルティング 第48 回 感受性を高める 研修方法を教えて欲しい
Q.
最近は会社のなかでも成果主義、IT 化……等々が進み、人間同士の交流や一人ひとりの“感じる力”が希薄になっているように思えます。また、職場でメンタルな悩みを抱える人も多く見かけます。スキルや知識といったものの前に、働く姿勢やその土台になるような気持ち(前向きな姿勢・人を理解する心)を鍛えるような研修が必要と感じています。「感受性」を鍛えることは、仕事をしていくうえで、どんな職種であろうが、大切だと感じられるのです。
教育担当者として私自身が「心を鍛えなくては」と感じたころから、メンタルヘルスの勉強もし、新人研修のなかでは、時間を割いて「ストレスとは?」「自分なりのリラックス法を持とう」「何でも相談できるサポーターをつくろう」と話をしています。また、数年前上司の薦めもあって、自主参加・手挙げ式の研修の一つとしてAIA(adventures in attitudes :心の冒険)という研修プログラムを取り上げ、そのコーディネーターの資格を取り何度か社内で実施しています。回数を重ねる度に、その有用性を感じ始めています。
このような「感じる力」を高める良いトレーニングとその実施方法がありましたら、ぜひ教えて下さい。
(製薬・人材開発担当)
A.
「感じる力」とは、感性あるいは感受性のこと。もともと、人は深く豊かな感情を持って生まれてきたはずなのだが、成長するに従ってどこかに置き忘れてしまうようだ。感情を押し殺し抑えることに慣れている生活のなかで、感性がどんどん欠落してしまっていく。さらに現代は情報氾濫の社会で、情報なしでは一歩も進めない状況のなかに置かれていることが、そのことに一層拍車をかけているように思う。言い換えれば、人間らしさがどんどん消されていくのが、いまの社会ではないか。
人が社会や組織を構成している以上、相互信頼関係の風土で、いわば安心していられる風土を、業績達成と同時につくっていかなければなるまい。その突破口の一つが“感性”の復活であろう。それは“人が大切にされる”社会や組織の変革に向かっての活動であると思う。
感性を磨くトレーニング・T グループ
その活動は、私たちがもともと持っていた感性を取り戻すトレーニングといってもよいだろう。決して無から有をつくり出すものではない。