企業事例 東京ガス 入社後5 年ごとのキャリア開発研修で 継続的な能力開発を推進
1998年よりキャリア開発プログラムを実施してきた東京ガスでは、“仕事のプロとして自立する社員”を目指し、5年ごとにキャリアの見直しをする研修を行っている。
社員個々人が各時期に抱える諸問題とキャリア展望を確認することで、社員の希望と会社の意向とのマッチングの充実を促進し、活力ある組織の実現を図る。
10年の長きにわたるこの取り組みについて聞いた。
9つの専門コースと5年ごとのキャリア開発
東京ガスでは、求める人材のあるべき姿として“4つの人材像”を掲げている。同社の人材育成制度はそれらを踏まえて構築されており、最終的に“仕事のプロとして自立する社員になる”ことを目指している(図表1)。
社員1人ひとりにより大きな業績を継続的に求めるには、将来にわたるキャリア開発が必要。それには適切な教育機会の提供と継続的な評価が重要となる。同社の「専門コース制度」はまさにその柱。採用から配置、異動、育成、評価に至る人事管理全般の仕組みを仕事の分野別に設計し、その運用を通じて「仕事のプロ」を育成することを目指したものだ。
東京ガスがこの専門コース制度を導入したのは1998年。その制度を支える仕組みとしてCDP(キャリア開発プログラム:Career Development Program)を同時に導入した。以来、時点を捉えたCDPは「個々人の能力の向上に不可欠」との観点で行われてきた。2002年からは、戦略本部制による組織の抜本的見直しや、業務遂行体制の見直しに伴う専門性の変化に対応すべく、CDPの各専門コースの仕事領域の拡大を図るなどして、運用に柔軟性や効率性を持たせる工夫をしてきた。そうした一連の流れには、専門性に対する意識を全社的に浸透させ、長期的視野に立った継続的なキャリア開発を推進しようとする狙いがあった。
専門コース制度は、さまざまな仕事を大括りにグルーピングしたもので、現在は以下の9つのコースがある。
1)営業エンジニアリングコース
2)リビング営業コース
3)エネルギー営業コース
4)カスタマー・設備技術コース
5)生産コース
6)研究開発コース
7)ITソリューションコース