めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第56回 ビジネスパーソンの「身体」そして「心」を鍛える
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、
最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
前号では、ビジネスパーソンにおける休息の重要性と関連書籍を紹介した。疲労の蓄積は「仕事の効率」にも大きな影響を及ぼす。良質な休息は重要で、書籍は今後も登場するだろう。
一方で、パフォーマンス向上のために「身体を動かす」ことの重要性が高まると思う。
そこで本号では「運動」に焦点を当ててみる。ビジネスパーソンは、予想通り「運動不足」のようだ。
スポーツ庁が2016年11月に実施した「スポーツの実施状況等に関する世論調査」※1によれば、30代から50代で「運動不足を感じる」人の割合が非常に高く、30 代女性では87%近くに達している。
人事担当者は社員への「運動の奨励」をもう少し働きかけてみてもよいだろう。
社員の結束を強めるため「社内運動会」を復活させる企業が増加している。NPO 法人ジャパンスポーツコミュニケーションズが受託する社内運動会の件数は近年急増しているという※2。さまざまな観点から、運動会復活の流れは大賛成である。
また、社内にヨガスペースを設けたり、勤務時間内の「筋トレ」を推奨する企業も出てきている。こうした取り組みは、先進的なイメージを持たれやすいということもあり、就活生の注目度が高い。
日本より運動マインドが高いアメリカでは、フィットネスクラブの中にオフィスを作り「好きな時に運動ができる」ことを売りにする企業まで登場している。
ビジネスで成功するためには、「心・技・体」を意識しておく必要がある。身体を動かすことの効能は「心」を「鍛え」「落ち着かせる」ことにもつながる。
ここで人事担当者が今後注目すべき、運動関連書籍を分類してみよう。