J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2017年02月号

心理学×企業調査で検証 パフォーマンスを高めるチーム開発 第4回(最終回) 成果を上げるチームづくりのため、人事部にできること

九州大学と九州大学TLOが行ったフィールドリサーチを元に、チーム開発について紹介する本連載。
前回は、高業績チームをつくるため、リーダーはどう在るべきか言及した。
では、人事部や人材開発部門が担うべき役割とは何か。
最終回となる今回は、好事例企業のインタビューも合わせて紹介する。


青島未佳(あおしま みか)氏
産学連携機構九州(九州大学TLO) 総合研究部門 部門長。大学卒業後、日本電信電話(NTT)、アクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティングを経て、2012年1月より現職。人事制度改革、人事業務プロセス改革、グローバル人事戦略など組織・人事領域全般のマネジメントコンサルティングを手掛ける。著書に『最新研究からわかったダイバーシティ時代におけるチームの在り方「高業績チームはここが違う」』(共著)など。

●行動を継続するために、必要なこと

高業績チームをつくるために、人事・人材開発部門はどのようなことに取り組めばよいのか。フィールドリサーチの結果を基にこれまでお伝えしてきた通り、チームのリーダーやメンバーが取り組まなくてはならないことは多岐にわたる。しかし、それらを全て自力で実践していくことは難しい。したがって人事・人材開発担当部門は、チームリーダーやメンバーが取り組む行動を継続するための、何らかのサポートを行う必要があるだろう。

では、何があれば人は行動を継続することができるのか。その行動をとるとインセンティブがあったり、やらないと困ることが起これば、行動を継続するだろう。例えば前者は金銭的な報酬や周囲からの励まし、称賛。後者は低評価や、やらなかった場合の上司からの叱責などが挙げられる。

人の行動について、心理学のひとつである行動分析学の観点から考えてみたい。行動分析学では、人が行動をする原理をABCモデル(Antecedent:誘発要因、Behavior:実際の行動、Consequence:行動結果)で説明している(図1)。

他人の行動に対して他者がマネジメントできることは、行動(B)そのものではなく、その行動の前後の誘発要因(A)か行動結果(C)である。つまり、大切なのは、いかに行動の前後に行動を継続できる仕組みや環境をつくれるか、ということである。特に行動(B)を引き出すには、行動結果(C)をうまくマネジメントすることが重要だ。なぜならば、人がその行動を取った後に、自分にとってよいことが起こったり、悪いことがなくなったりすれば、またその行動をする(行動強化の原理)という人間行動の原理が働くからだ。

例として「顧客から要望をもらい」(A)「提案書をつくったら」(B)「上司や顧客に褒められたので、次回はさらによい提案書の作成に励んだ」(C)などが挙げられる。

褒められたり、皆から感謝されるなど、よいことが起こる環境をつくると、その行動は継続されやすい。これを「承認による行動強化」という。反対に、これをしなかったら評価を下げる、罰が与えられるなどの悪い結果が起こるため、その行動をする・継続するという「強迫による行動強化」も存在するが、これはその時だけの一過性のものである。したがって、それが終わったり、監視をされていなかった場合は、すぐにやめてしまい長続きしない。

●“現場起点の改革”の支援を

以上のような行動分析学に即して、人事部は何をすべきか、考えたい。A(誘発要因)には、ビジョン・行動指針や評価制度が含まれると考えられる。したがって、人事部の役割のひとつは、チームを機能させるための仕組みづくりだといえるだろう。

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