J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年11月号

JMAM 通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 武州製薬 “気づきの姿勢”教育で 変革をめざす

「学ぶ風土」を醸成している組織に贈られる「JMAM通信教育優秀企業賞」。2016年度は2社が受賞した。
今回は、医薬品・治験薬の受託製造専門会社(CMO)として、日本の医薬品業界をリードする武州製薬を取り上げる。「最も良い薬を製造し、人々の健康に貢献する」との企業理念を掲げ、新薬メーカーから委託される、多彩な医薬品と治験薬の製造を担う同社は、通信教育制度を人材育成のベースに据えて、社員一人ひとりの成長を企業の成長へとつなげている。


初鹿重陽氏 人事総務部長
渡辺宏紀氏 人事総務部人事課

企業プロフィール
武州製薬
1981年、サンド薬品株式会社の埼玉工場として稼動開始。1998年、武州製薬株式会社を設立。2014年、美里工場が加わり2工場体制となる。医薬品・バイオ薬品及び治験薬の受託製造の国内リーディングカンパニーとして成長を続ける。
資本金:1 0 億円、従業員数:9 4 5 名(2016年9月現在)

取材・文/JMAM 写真/武州製薬提供、JMAM

自己啓発の基盤-通信教育制度

■全社員の半数が通信教育を受講

社員の自己啓発に対する支援は、全国の8割近い事業所で実施されているが、十分には活用されず、いかに参加人数を増やし、制度を活性化させるのか頭を悩ませている企業は少なくない(厚生労働省『能力開発基本調査』平成27年度)。

これに対して武州製薬では、毎年およそ半数の社員が、通信教育制度を活用した自己啓発に励んでいるというから驚きだ。

「年間の個人目標を記す『目標管理・業績評価シート』に、身につけたい能力を記入する欄を設けています。ここで掲げた目標を達成する手段として、多くの社員が通信教育制度を活用しています。目標設定にあたってはマネジャーと面談を行い、個々人の能力や目標と照らし合わせて話し合いながら、資格の取得や特定のスキル習得・向上につながる通信教育の受講といった目標を立てていきます。このように、通信教育制度は弊社の人材育成に密接に関わっているのです」

そう話すのは同社人事総務部人事課の渡辺宏紀氏だ。さらに、約7割の社員が製造ラインでの勤務に就く同社ならではの事情について、人事総務部長・初鹿重陽氏は次のように説明する。

「一部の部署で交替制勤務を実施しており、全員が一堂に会する集合研修の実施は難しいのが現状です。その点、通信教育は個々人のスケジュールに合わせて学習ができ、利便性が高い。しかも、通信教育には多彩なコースが揃っていて、身につけたい知識やスキルに合ったコースを見つけやすいのが特長です。製造業ならではの環境も相まって、通信教育制度を活用して、社会人として、組織人として、あるいはスペシャリストとしてのベースを築いていく風土が育ったのだと思います」

■“まじめにコツコツ”習慣が受講を促進

もう1つ、高い修了率を保持しているのが同社の大きな特長だ※。

医薬品業界では、国ごとに独自の基準(GMP:「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」)が設けられ、作業手順などを詳細に定めた標準作業手順書(SOP)に基づいて製造が行われる。医薬品製造においてはこれらの厳格な基準を遵守することが求められる。

同社の社員について初鹿氏は、「決められたことをまじめにきちんと取り組むタイプが多い」と評する。そうした姿勢は、日常の業務を通して培われている。

「国ごと、お客様である新薬メーカーごとに基準となる手順や品質、製造プロセスなどが異なりますが、弊社ではあえて一番厳しいお客様の基準をスタンダードに据え、それぞれの要所・特徴を押さえつつ、さまざまな要請に対応しています。長期にわたって技術を追求しながら、変化や要請にも柔軟に応えることは、我々の使命ともいえる重要な責任なのです。社員はこのことを深く理解しており、日常の業務を通して、まじめにコツコツ取り組む習慣を身につけているのです」(初鹿氏)

こうした習慣は、日々の業務はもちろん、通信教育を最後までやり遂げ修了する姿勢にも反映され、高い修了率につながっている。

※手挙げ方式の修了率は全国平均より20%高い(JMAM実績)。

個々人の成長が組織の成長へ

■新入社員時代から“学ぶクセ”を醸成

多くの社員が自己啓発に通信教育制度を選択する同社だが、なかでも若手社員の受講が目立っている。

「決して若手社員に限定して受講を促しているわけではありませんが、新入社員に対しては、入社半年後と1年後に、人事が行うフォローアップ面接で、通信教育のどういったコースをどういう目的で受講しているのか確認します。これは、若いうちに“学ぶクセ”をしっかりと身につけ、経験を重ねても学び続ける姿勢を保ってほしいと期待しているためです。若手社員にこうした啓発活動をコツコツと続けてきたことも、学ぶ風土が培われてきた要因の1つでしょう」(渡辺氏)

入社時の研修では、「どのような目的を持って入社し、何を成し遂げ、どうなりたいのか」を考えさせているのだという。社会人としてのスタート時に目標設定を行い、その目標に対してフォローアップすることで、日々の学習の目的を明確にすることができているのだ。

■社長自ら自己啓発意識を喚起

2016年4月、新代表取締役社長兼CEOに横濱潤氏が就任した。横濱氏は「変革」をテーマに掲げ、「社員が変われば、会社が変わる」と、強いメッセージを発信。就任直後から社員に直接語りかける場を設け、社内の意識改革を促している。

「企業力の基盤は人材力と組織力、すなわち、一人ひとりの『個』の集まりである『組織=企業』の力である」という考えを、同社は人材育成の根幹に据えてきた。横濱氏もまた、「一人ひとりの成長が組織の成長になる」という考えのもと、人材育成をより一層推し進めるべく取り組んでいる。

近年、新薬の開発が困難を極める中でグローバルレベルでの厳しい競争が巻き起こり、市場環境は激変している。

「ジェネリック医薬品市場の急激な拡大や技術変化による市場ルールの変化に加え、お客様のニーズが多様化・複雑化しています。それらに応えるためにも、弊社はさらなる変化を遂げなければなりません。今後も弊社が成長していくためには、社員が“気づきの姿勢”を身につける教育を新たに展開することが不可欠です」(初鹿氏)

地道な取り組みこそ定着の秘訣

■日々の声掛け、意識づけの川越工場

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