J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年11月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第20回 不健康な社員の扱い方

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。


藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ

第20回 不健康な社員の扱い方

部下の1人が、どうも体調がよくなさそうだ。もともと肥満体型ではあるが、さらに太って顔色もよくない。夜遅くまで飲み歩いているのが原因のようだ。会社は“健康経営”をうたっており、残業も減らす取り組みをしているが、本人は生活習慣を改める様子もない。どうすればいいだろうか。

健康管理は誰の責任?

一般論として、個人の生活習慣や健康状態は、その個人が責任を持って管理するものであり、従業員には職務が遂行できる状態で出勤する義務があります。

一方、会社は職場の安全に配慮する義務があり、健康状態に不安のある従業員であっても安全に働けるような職場にする必要があります。例えば、明らかに体調の悪い従業員に肉体的に負荷のかかる仕事をさせたことにより事故が発生した場合には、会社側の責任が問われます。

また、そうした事故がなくても、従業員側が「仕事のストレスで飲み過ぎて、不健康になってしまった」という主張をしてくるケースもあります。これは一見、本人の責任のように思えます。しかし、全くストレスのない職場というのは考えられないので、本人ばかりの責任とも言い切れません。

特に、ある程度の残業をさせている場合には、会社側の責任が認定されるケースもあります。

業務負荷を減らして健康診断に

今回の不健康な社員は、体調悪化が顕著に見られるということですが、その理由の1つに仕事内容・仕事量が関わっている可能性は否定できません。よって当面の対策として、仕事内容を見直し、現在より負荷の低い仕事に切り替えるといった措置をとる必要があります。もし、体調が悪い状態が続く中で業務量が変わらないとすれば、さらに残業が増え、より状況が悪化する可能性もありますから、仕事内容の見直しは急務です。

また、有給休暇の取得を促してもいいでしょう。そのまま放置したり、「もっと健康に気を使え」と指導したりしても、状況がよくなる可能性はあまりありません。

さらに、健康診断の受診状況についても確認し、場合によっては再検査を指示しましょう。会社が定期的に実施する健康診断については、従業員側にもこれを受ける義務があります。健康診断をどうしても受診しない従業員に対しては懲戒処分を行うことが可能ですし、法定の健康診断以外でも、一定の合理性があれば、事業者は従業員に対して受診を指示できます。定期健診で結果に問題がなくても、急速に悪化している可能性が高ければ、改めての受診を指示しましょう。

健康維持への意識を高める

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