J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年03月号

人事の職場拝見! 第61回 百五銀行 基礎を固めながら固定観念を打ち破る 変革をもたらす、しなやかな育成施策

三重県と愛知県を中心に展開する地方銀行の百五銀行では、“人の力”で他行との差別化を図る。
そのカギは、変革を視野に入れた発想力と行動力のある行員の育成だ。


FRONTIER BANKING
百五銀行
■会社データ
創立:1878年
従業員数:2486名(2015年3月31日現在)
事業内容:預金業務、貸出業務、投資信託など
■部門データ
人事部人材開発課:5名
職務内容:人材育成、研修の企画・運営など

取材・文・写真/田邉泰子

若手行員の早期育成

百五銀行は、三重県津市を本拠とする地方銀行である。地域のメーンバンクとして利用者からの信頼も厚い。背景には、行員一人ひとりの“人としての力”が存在する。

人事部人材開発課長の北澤浩二氏は、「どの銀行も“お金を扱う”という点では大きな違いはなく、最後は“人の違い”が信頼の決め手となります」と話す。

そのため、同行では若手行員の早期育成に力を入れる。入行初期は基礎の定着がテーマだ。あいさつやビジネスマナーの習得はもちろんのこと、新人研修で、店舗を再現した机でオペレーションを訓練したり、2年目には基本行動の振り返り研修を行ったりする。

「しかし、『これさえできれば良い』というふうには考えていません。最も大切なのは、お客様のニーズに共感しつつ状況を正しく判断し、ベストなサービスを提供できること。研修で扱うことはあくまでベースであり、行員たちの資質を引き出すきっかけに過ぎません。特に最近は、豊かな発想力とそれを形にする行動力の醸成が大切だと感じます」

地域構造が変化し、顧客のニーズも多様化している。時代の変化にしなやかに対応できる力が求められているのだ。

他流試合は気づきの機会

柔軟さを養うべく、「他流試合」にも積極的だ。近年は、四国・近畿地方の銀行と合同で法人融資のロールプレイング研修を企画した。

「お客様とのコミュニケーション1つ取っても、他行のやり方を見たり、グループディスカッションでは意外な意見が聞けたりと、刺激になったと好評でした」

この他にも、毎年メガバンクや東南アジアの銀行への行員派遣を行うなど、日頃の業務では経験出来ない機会の提供に力を入れる。

「育成の基本はOJTであり、専門知識の深化も含め、現場教育が行員の成長に直結するという考えは一貫しています。しかし、現場では得られない知見が新たな気づきをもたらし、豊かな発想につながるのではないかと考えています」

ゼネラリストの重要性

若手行員の発想力と行動力を引き出すには、管理職層にも柔軟さが必須である。従来は「法人営業は男性行員がやるもの」といった風潮があったが、そうした役割の垣根を取り払う試みも欠かさない。

例えば、男性管理職向けの「女性行員のマネジメント研修」もその1つだ。男性とは異なる価値観や考え方を取り上げ、コミュニケーションの姿勢やフォローの仕方を学ぶ。

「女性は結婚や出産など、男性以上に価値観や考えが変わるきっかけに多く出会うため、マネジメントにも男性とは別の視点が必要になります。その点で、この研修では『今まで良かれと思ってしていたことが、実は逆効果だった』ということを知るなど、衝撃を受けるようです」

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