人事の職場拝見! 第50回 グリー “楽しい”を形にするモノづくりでヒットをめざせ 潜在能力の解放と人材発掘がカギ
SNS「GREE」を創業事業とし、ゲーム事業を主軸に展開するグリー。業績のV 字回復に向け、“モノづくり”という原点に回帰し、社員のクリエイティビティを最大限、引き出す取り組みに挑んでいる
感性を形にできる人材
2011年に事業、収益共に急拡大を果たしたグリー。現在、業績のV字回復をめざす中で、モノづくりに対する社員のクリエイティビティを改めて重視している。
人事本部 人材開発部長の中村陽祐氏は、「私は、社員がもともと持っている潜在能力を解放することが一番の教育だと考えています」と話す。
企業は、市場や顧客のニーズを汲み取って商品やサービスをつくるのが一般的であり、それに必要な人材を求める。だがグリーが今、大切にしているのは、一人ひとりの社員がもともと持っているクリエイティビティ。「こういうゲームがつくりたい」「こんなことが楽しい」という感性を形にできる人材を育成している。
その一例が、潜在能力を形にする「クリエイティブ・イノベーション・プログラム(CIP)」だ。バックオフィス社員も含め誰もが参加でき、数時間~ 1日程度の限られた時間で、ゲームのモック(模型)やプロトタイプをつくり上げる。中には特許を取るようなアイデアや、実際、商品化に至ったというケースも。中村氏は、「世の中のニーズに応えることは大前提だが、まずは自分の中の欲求を形にしてほしい」と言う。
「そのプロセスを踏むことが、結果にもつながっていきます。コンテンツビジネスのヒットは、つくり手の情熱の延長線上にあるのです」
全社員面談で適材を発掘
人材開発部が今後の課題として捉えているのが「人材の発掘」である。そこで、2014年10月から3カ月間かけて初の全社員面談を行った。「何をやりたくてグリーに入社したのか」「実際に、何をやってきたか。今どう感じているのか」「今後どうしていきたいか」など、過去・現在・未来の3軸でヒアリングし、社員一人ひとりの状況を確認した。