J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年03月号

人事の職場拝見! 第50回 グリー “楽しい”を形にするモノづくりでヒットをめざせ 潜在能力の解放と人材発掘がカギ

SNS「GREE」を創業事業とし、ゲーム事業を主軸に展開するグリー。業績のV 字回復に向け、“モノづくり”という原点に回帰し、社員のクリエイティビティを最大限、引き出す取り組みに挑んでいる

インターネットを通じて、世界をより良くする。
グリー
■会社データ
設立:2004年 
従業員数:1867名(グループ全体・2014年9月末現在)
事業内容:ゲーム事業、コマース・ライフスタイル事業、コミュニティ・メディア事業等
■部門データ
人材開発:16名
職務内容:キャリアコンサルタント、育成等のタレントマネジメント、および採用
取材・文・写真/髙橋真弓

感性を形にできる人材

2011年に事業、収益共に急拡大を果たしたグリー。現在、業績のV字回復をめざす中で、モノづくりに対する社員のクリエイティビティを改めて重視している。

人事本部 人材開発部長の中村陽祐氏は、「私は、社員がもともと持っている潜在能力を解放することが一番の教育だと考えています」と話す。

企業は、市場や顧客のニーズを汲み取って商品やサービスをつくるのが一般的であり、それに必要な人材を求める。だがグリーが今、大切にしているのは、一人ひとりの社員がもともと持っているクリエイティビティ。「こういうゲームがつくりたい」「こんなことが楽しい」という感性を形にできる人材を育成している。

その一例が、潜在能力を形にする「クリエイティブ・イノベーション・プログラム(CIP)」だ。バックオフィス社員も含め誰もが参加でき、数時間~ 1日程度の限られた時間で、ゲームのモック(模型)やプロトタイプをつくり上げる。中には特許を取るようなアイデアや、実際、商品化に至ったというケースも。中村氏は、「世の中のニーズに応えることは大前提だが、まずは自分の中の欲求を形にしてほしい」と言う。

「そのプロセスを踏むことが、結果にもつながっていきます。コンテンツビジネスのヒットは、つくり手の情熱の延長線上にあるのです」

全社員面談で適材を発掘

人材開発部が今後の課題として捉えているのが「人材の発掘」である。そこで、2014年10月から3カ月間かけて初の全社員面談を行った。「何をやりたくてグリーに入社したのか」「実際に、何をやってきたか。今どう感じているのか」「今後どうしていきたいか」など、過去・現在・未来の3軸でヒアリングし、社員一人ひとりの状況を確認した。

「新しいものを生み出したい」という意識を持つ社員が多い同社。しかし、事業上、上から下へとミッションが落ちていく中で、たとえやりたいことがあっても、自分が今、置かれている環境や部署では実現できない場合もある。そうした個人の状況や要望を人事が客観的に把握し、経営側のニーズとすり合わせ、社員が最も力を発揮できる配置へとつなげようとしている。

「社員にとっても、自身を棚卸しするよいタイミングになったと思います。ですが、大事なのはこれからで、ヒアリングした内容をもとに、いかに我々が適材適所の精度を上げていけるか。今回の面談は社員と人事の関係性づくりの起点であり、今後のコミュニケーションがより重要だと考えています」

会社飛躍の人材要件

もうひとつの課題が管理職の育成だ。ゲームをつくるスキルには長けているが、組織を束ねる力に課題を抱える管理職は少なくない。管理職教育プログラムをつくるうえでのポイントについて、中村氏は「体系的なマネジメントスキル育成は必要」としながらも、「管理する力より、部下が持つ力を最大限、引き出す能力を育みたい」と話す。

さらに、 “上から与えられるタスクを分解し、個へと落としていく組織”と、“個が力を発揮し集合体を形づくる組織”の双方の“中和”を図る、という発想を強化する必要も感じている。

「インターネット産業は今後、社会にもっと根づいていくでしょう。社会に貢献するためにもマネジメントや経営を学ぶ若手を育て、業界を牽引するような人材を育成していきたいと考えています」

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