J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年02月号

人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第28回 「エデンの東」川西玲子氏 時事・映画評論家

「エデンの東」
1955年 米国 監督・製作:エリア・カザン


川西 玲子(かわにし・れいこ)氏
1954年生まれ、メディア・エンタメ時評。中央大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。シンクタンク勤務後、企業や自治体などで研修講師を務めつつ、コメンテーターとして活動。著書に『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』『映画が語る昭和史』(旧・ランダムハウス講談社)等がある。

『エデンの東』(DVD・ブルーレイ発売中)
¥1,429 + 税(DVD)
¥2,381 + 税(ブルーレイ)
発売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント孤独を抱え、ナイーブな青年の青春や家族愛と、家族との確執を描き、ジェームス・ディーンを一躍伝説のスターにした不朽の名作。アカデミー助演女優賞受賞(ジョー・ヴァン・フリート)、第8回カンヌ国際映画祭劇的映画賞など数々の賞を受賞。

『エデンの東』は、歴代アメリカ映画のベスト10に入る名作である。私はこの映画を観るたびに感動し、いろいろ考えさせられてきた。だが今回ほど痛切に、この映画が訴えかけてくるメッセージについて考えさせられたことはない。

○家族を思う気持ちが交差

舞台はカリフォルニア州サリナス。24歳の若者キャルは、清廉潔白でまじめな父親と、気性が父親にそっくりで真っ直ぐな兄アロンと3人で暮らしている。キャルはひねくれていて、いつも父親に対して反抗的な態度を取る。だがそれは、兄より愛されていないと感じているからだった。そして死んだと聞かされている母親が、実は酒場を経営していることを知り、母の気性に自分との共通点を見出す。

やがて父親は、栽培したレタスを氷浸けにして東部に運ぶという、画期的なビジネスに挑戦する。だが失敗して大損害をこうむってしまう。その頃、ヨーロッパでは第一次大戦が始まっていて、目先の利く人間が大豆相場で利益を上げようとしていた。

そこでキャルは、母親から5000ドルを借りて出資し、儲けた金を父親に贈って窮状を救おうと考える。そして父親の誕生日、キャルは兄の恋人と一緒に家の中を美しく飾り付け、浮き浮きとその金を贈る準備をする。

だが兄も父親に贈り物を用意していた。それは恋人との婚約だった。父親はそれを「何よりの贈り物だ」と喜ぶ一方、キャルの贈り物を受け取らない。「お前の気持ちは嬉しい。だが戦争で儲けた金は受け取れない」。キャルは泣き崩れる……。

○正義が悪を刺激する

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