J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

月刊 人材教育 2012年04月号

連載 人事の職場拝見! Vol.15 日立ソリューションズ “育成”ではなく“成長支援” 自律型人財の生涯の成長を支える

システムインテグレーション事業を展開する日立ソリューションズ。IT 業界を取り巻く激しい環境変化、グローバル化の進展にあって、自らの専門性を高め、付加価値を提供できる人財の育成が急務となっている。そのためのキーワードは「個の自律」。同社の人財開発部を訪問した。

日立ソリューションズ
■会社データ
設立:1970年
従業員数:1万388名(単独)
事業内容:ソフトウェア、情報システムお
よび情報処理機器の開発・販売 等
■部門データ
人事総務統括本部 人財開発部:23名
職務内容:採用、教育、キャリア支援 他

会社頼みではない個の自律を高める取り組み

2010年の合併により誕生した、日立ソリューションズ。人こそが「資本」であるとし、社員の行動指針として6項目を定めている。特に現在注力しているのが、「高い専門性を活かして、期待を超える価値を創出する」こと。同社の人財開発部部長 石川拓夫氏は次のように話す。「 当社では9割の社員が専門職です。従来から専門性を高める育成のフレームワークを用意してきましたが、これまではどうしても会社頼みになる傾向がありました。しかし今必要なのは、お客様に付加価値を提供することができる人財です。そのために私たちは、個の自律を高める取り組みを行っていくことが役割だと考えています」(石川氏、以下同)

実態に合ったキャリアパスの提示

同社では、独自の人財育成施策として、HCM(Human CapitalManagement)制度を設けており、多方面から個の自律を促進している。最初のステップは、目標となるキャリアパスを提示することだ。「社員が自ら方向性を考えるためのキャリアパスは、実際の仕事に合ったものである必要があります。そこで各部門と一緒に、求められる人財像の要素の入れ替えや追加をしながら、常に実態に合った目標を提示できるよう施策を講じています」

また、「キャリア自律が重要だ」というだけでは職場には浸透しない。そこで部門・個人両方に対するアプローチをとっている。「部門へは、マネジャーに対して、マネジャー教育等でキャリア自律の重要性を訴えるとともに、アセスメントツールで見える化された職場データを活用した、部下のキャリア支援方法等を伝えています。

また個人に対しては、新人、入社3年目、30歳、40歳、50歳という節目にキャリア研修を実施して、自分のキャリアとじっくり向かい合う時間を提供しています」

キャリア研修を行うと、「個人の問題なのになぜ会社が」と、中には身構えてしまう受講者もいる。しかし研修後には「日頃から考えなければと思いつつ何もできていなかったので、いい機会になった」という感想が多く聞かれる。

人財開発の役目は育成ではなく成長支援

さらに人財開発部内に有資格のキャリアカウンセラーを置き、社員の相談に応じている。「キャリア開発は、一企業の枠にとどまらない、人生そのものにかかわる事柄です。そのため、キャリアカウンセラーが個人ごとに面談等を行い、キャリアの問題解決を支援しています。必要に応じてマネジャーとも連携し、組織的な支援も行います」

このような個の自律支援が、グローバル展開への対応や、合併後の風土のすり合わせなどの課題解決に向けた重要なベースにもなるという。「個が自律した組織では、役職を問わず自らが役割を意識して仕事ができます。すると、お互いを尊重し合う雰囲気が生まれ、その中で、自然とモチベートされるような組織風土が醸成されます。このような自律を前提としたマネジメントに移行することにより、厳しいグローバルへの対応も可能になるでしょう。さらに、自律した個人が付加価値を提供することが会社の業績にも、個人の幸せにもつながっていくと考えています。この先導役が、人財開発部です」

したがって人財開発部が行うのは、「育成ではなく成長支援」だと石川氏。個のキャリア自律を軸として、採用と育成だけにとどまらず、生涯の成長をサポートする人財開発部の活躍に期待がかかる。

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:938文字

/

全文:1,876文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!