J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年03月号

JMAM 通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 コカ・コーラ セントラル ジャパン 目標値設定と仕掛けづくりで 主体的に学ぶ風土を醸成


コカ・コーラをはじめとする清涼飲料水を、
神奈川・静岡・山梨・愛知・岐阜・三重の6県で販売する
コカ・コーラ セントラル ジャパン。
具体的な数値目標を掲げ、“主体的に学ぶ風土”の醸成に取り組んできた。
社員一人ひとりに、学ぶ大切さを
どのように気づかせ、行動に移させたのか?
その取り組みについて伺った。

橋本 誠治氏 執行役員人事部長
松本 祐児氏 人事部人事厚生チームリーダー
青山 良光氏 人事部人事厚生チーム主任


コカ・コーラ セントラル ジャパン株式会社
中京コカ・コーラボトリング株式会社、富士コカ・
コーラボトリング株式会社が、株式移転により
持株会社(共同完全親会社)として2001年6月
29日設立。2005年1月に事業会社2社を吸収合
併。清涼飲料水の製造・加工および販売等を
展開する。神奈川県横浜市に本社を構え、神
奈川県、静岡県、山梨県、愛知県、岐阜県、三
重県に拠点を持つ。
資本金:64億9900万円、売上高:1930億8,100
万円、従業員数:2,578名(いずれも2011年12月
31日現在)

取材・文・写真/赤堀たか子

自立型人材育成の観点から主体的な学びを重視

コカ・コーラ セントラル ジャパンでは、「Change、Challenge、Action」をキーワードに、「自立、創造、革新型」人材の育成をめざしている。コカ・コーラという絶大なブランド力を誇りながらも、「激変する飲料業界に柔軟に対応するためには、上の指示を待つのではなく、自分で考え、判断し、行動できる人材が必要」(橋本誠治執行役員人事部長)との判断からだ。

したがって、能力開発においても主体性を重視し、自己啓発をその中心に据えている。

同社の自己啓発のプログラムは、以下の3つの要素で構成されている。

まず1つめは、通信教育だ。階層別や部門別のコースに加え、文章力やOAスキルなど、基本的なビジネススキルを身につけるコースや一般教養のコースも用意し、職位や業務に応じて必要となる能力を磨くプログラムを幅広く取り揃えている。

2つめは、選択型研修で、これは、通信教育による事前学習と集合研修を組み合わせたもの。「 通信教育だけでなく、集合研修と組み合わせることで、学んだことが定着するようにしています」(橋本氏)

こちらのコースは、「指導・監督力の強化」「企画・開発力の強化」といった4つの学習テーマを掲げ、それぞれの要素を習得するための講座を設けている。

3つめは、ビジネス誌の購読だ。『プレジデント』『日経ビジネス』など4つのビジネス誌が割引料金で年間購読できるというもの。「 通信教育のようないわゆる“勉強”ではありませんが、営業社員として、経済情勢や流通業界に関する情報を把握し、社会の流れを捉えることで、商談や企画提案の質的な向上を図るのが狙いです」(橋本氏)

研修や昇格面接を通じ学びの必要性に気づかせる

自己啓発プログラムを充実させると同時に、「受講率40%、修了率70%」を目標に掲げ、受講率の向上にも取り組んでいる。受講率・修了率をこれらの数値にした理由は、目標を立てた2010年時点の受講率が20%程度のため、それを倍にして多くの社員に学びの機会を設けたいと考えたためだ。

ただし、“主体的な学び”を重視する観点から、受講を強制するのではなく、主体的な学びを引き出すことを心がけ、そのためにさまざまな工夫を凝らしてきた。

その1つが、他の教育制度との連動だ。同社では、28歳、35歳、47歳の時点でキャリア開発研修を行っている。これは、階層別研修とは異なり、該当する年齢の全社員を対象にしたもので、それまでの自分を振り返ると同時に、今後の自身のキャリアの方向性やその開発方法について考える研修だ。この研修では、自分のめざすキャリアを実現するために、どのような能力開発が必要かを考えさせることにより、主体的な学びを促している。

昇進・昇格制度の中にも、同様の仕組みが盛り込まれている。

同社では、一般の係長に当たる監督職になる時、また、監督職から管理職に昇進する直前と管理職に昇進した後に、部門長による昇格審査を、面接を通じて行っている。面接では、対象者と上司で作成した「目標管理シート」、後述の「能力開発シート」、さらには過去の自己啓発の履歴資料が使用されている。面接者は、それらを見ながら、自身の弱点を補うために、あるいは、自身の目標達成のためにどのような自己啓発に取り組んでいるかを確認する。「面接は、昇進の可否を審査するだけでなく、指導の場でもあります。どのような自己啓発に取り組んでいるかを話し合うことで、本人に学習することの必要性を気づかせるのです」(松本祐児人事部人事厚生チームリーダー)

本人の意識づけに加え、上司の働きかけを促す取り組みも行っている。自己啓発にあまり取り組んでいない人がいると、面接官は、面接終了後、その人の上司に、どんな指導をしているかを問い合わせる。上司は、育成責任が問われるため、部下の自己啓発に関心を持たざるを得なくなるというわけだ。

能力開発シートやパンフレットの作りも工夫

さらに、「能力開発シート」や自己啓発のパンフレットにも、さまざまな工夫が盛り込まれている。

同社では、目標管理の面接で、自身の能力開発の取り組みについても話し合うが、その際に使うのが、「能力開発シート」(図表)だ。このシートには、会社が求める5つの能力(①知識・技能・ストレス耐性、②理解・判断力、③表現・折衝力、④企画・開発力、⑤指導・監督力)に関し、自己評価と上司評価を記入する欄が設けられている。

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